SESエンジニア必見!「元請け」案件で働くメリット・デメリットとキャリアアップ戦略
【経験者向け】SESの多重下請け構造から脱却したいエンジニアへ。「元請け」SESで働くメリット(給料・上流工程)と優良企業を見抜く具体的なチェックリスト、転職成功のコツを徹底解説します。
キャリアパス診断してみるはじめに:なぜ今、SESエンジニアは「元請け」を目指すべきなのか
「毎日一生懸命働いているのに、なかなか給料が上がらない」「もっと上流工程にチャレンジしたいのに、今の現場では雑務ばかり」
もしあなたが現在、多重下請け構造の現場で奮闘しているSES(システムエンジニアリングサービス)エンジニアであれば、このような悩みを抱えているかもしれません。
結論から言えば、SESエンジニアがキャリアを飛躍させ、待遇を改善する最も確実な方法の一つが、「元請け」企業への転職です。元請け企業で働くことは、単に給与が上がるだけでなく、あなたのエンジニアとしての市場価値を大きく高めることにつながります。
本記事では、SESの元請け企業で働くメリットとデメリットを徹底的に解説し、優良な企業を見抜くための具体的なチェックリスト、そして転職を成功させるための戦略を詳しくご紹介します。
「元請け」と「下請け」の決定的な違い
SESにおける「元請け」とは、発注元であるエンドユーザー(顧客企業)から直接案件を受注し、契約を結ぶ企業を指します。別名「直請け」とも呼ばれます。
一方、「下請け」は、元請け企業から案件を再委託される企業群を指し、この再委託が繰り返されることで「多重下請け構造」が生まれます。
項目 | 元請け(直請け) | 下請け(二次請け以降) |
|---|---|---|
契約相手 | エンドユーザー(発注元) | 元請けまたは上位の下請け企業 |
関わる工程 | 要件定義、企画、基本設計など上流工程が中心 | 詳細設計、実装、テストなど下流工程が中心 |
報酬 | 高い単価で受注。マージン率が低い傾向 | 中間マージンが抜かれた後の単価で受注 |
多重下請け構造の課題とエンジニアへの影響
多重下請け構造が深くなるほど、エンジニアが受け取る給与から中間マージンが何重にも引かれ、結果としてエンジニアへの還元率が低下します。また、情報伝達のミスが発生しやすくなる、現場の状況が把握しにくいといった問題も発生し、スキルアップやキャリアアップの機会が失われがちです。
元請けを目指すことは、この構造的な課題から脱却し、あなたの技術力を正当に評価してもらうための第一歩なのです。
元請けSESで働くエンジニアの4大メリット
メリット1:給与・待遇が大幅に改善されやすい(高い還元率)
元請け企業は、エンドユーザーから最も高い単価で案件を受注します。そのため、企業側の利益を確保してもなお、下請け企業よりもエンジニアへの報酬還元率が高くなる傾向があります。
例えば、月単価100万円の案件の場合、三次請けではエンジニアに40〜50万円程度しか還元されないケースがありますが、元請け企業であれば60〜70万円以上、中には80%以上の還元率を謳う企業も存在します。年収アップを最優先するなら、元請けの直請け案件が多い企業を選ぶべきです。
メリット2:要件定義・企画など上流工程に携われる
元請け企業はプロジェクトの全体を管理・推進する立場にあるため、エンジニアは要件定義、基本設計、技術選定といった上流工程に携わる機会が格段に増えます。
これは、単にコードを書くだけでなく、顧客の課題をヒアリングし、技術を使ってどのように解決するかを考える、Webマーケティング的な視点も求められる、より高度な仕事です。上流工程の経験は、将来的にPM(プロジェクトマネージャー)やITコンサルタントを目指す上で必須のキャリアパスとなります。
メリット3:キャリアパスが描きやすく、技術選定の自由度が高い
プロジェクトの根幹に関わる元請けの現場では、技術的な裁量が大きいことが多く、新しい技術やフレームワークの導入を提案しやすい環境にあります。これにより、エンジニアは自身の志向に合わせて体系的かつ戦略的にスキルアップを図ることができます。
また、元請け企業自体がエンジニアの市場価値向上に積極的な教育投資を行う傾向も強いため、キャリアパスが描きやすいのも大きな利点です。
メリット4:エンドユーザーと直接コミュニケーションが取れる
下請けの場合、間に何社も入ることで、伝言ゲームのように情報が歪んだり、遅延したりします。しかし、元請けであれば、顧客(ビジネス部門)と直接対話し、フィードバックを得られます。
これは、開発のモチベーション維持に繋がるだけでなく、システムが「なぜ必要なのか」「どのような価値を生むのか」というビジネス理解力を深める上で非常に重要です。
知っておくべき元請けSESのデメリットと注意点
デメリット1:求められるスキルレベルが格段に高い
上流工程では、高い技術力に加え、コミュニケーション能力、論理的思考力、ドキュメンテーション能力など、非技術的なスキルも強く求められます。特に顧客との折衝能力や提案力は必須です。
下流工程のみの経験しかない場合、元請けへの転職面接では「なぜ上流工程を担えると判断できるのか」という点を厳しく問われることになります。
デメリット2:責任範囲が広く、プレッシャーがかかりやすい
プロジェクト全体を牽引する立場であるため、何か問題が発生した場合の責任は重くなります。納期管理、品質管理、予算管理など、プロジェクトマネジメント的な視点を持って業務に取り組む必要があります。
しかし、これは裏を返せば、大きな成果と経験を得られるチャンスでもあります。プレッシャーを成長の機会と捉えられるかが重要です。
優良な元請けSES企業を見抜くためのチェックリスト
「元請け」と謳っていても、実際はごく一部の案件しか直請けではない企業も存在します。優良な元請けSES企業を見抜くために、以下の4つのポイントをチェックしてください。
チェックリスト1:ビジネスモデル(直請け比率と平均単価)
最も重要な指標の一つが、直請け案件の比率です。これが70%以上であれば、元請け企業として安定していると判断できます。面接や企業説明会で具体的な数字を開示しているか確認しましょう。
また、エンジニアの平均単価(客先への請求額)が高いほど、難易度の高い、利益率の高い案件を獲得している証拠です。平均単価と、それに対するエンジニアの給与のバランス(還元率)を総合的に判断しましょう。
チェックリスト2:エンジニアの「評価制度と還元率」
「元請け」の最大の魅力である高い給与を実現しているかを確認します。
- 単価連動型: 案件単価に応じて給与が決まる、透明性の高い制度か。
- 還元率の明示: 「業界平均よりも高い」といった曖昧な表現ではなく、具体的なパーセンテージ(例:70%以上)を明示しているか。
チェックリスト3:自社開発や受託開発の有無
元請けとして安定した基盤を持ちながら、自社サービス開発や一括受託開発も行っている企業は、技術力や経営基盤がしっかりしている傾向があります。これにより、客先常駐(SES)以外の選択肢も生まれ、エンジニアの多様なキャリア志向に応えやすくなります。
チェックリスト4:E-E-A-T(専門性・信頼性)の担保
企業が経験・専門性・権威性・信頼性を持っているかを確認します。
- 実績: 大手企業との取引実績、特定の技術領域での受賞歴や事例公開の有無。
- 発信: 技術ブログ、カンファレンス登壇、技術コミュニティへの貢献など、外部への情報発信が活発か。
元請けSES企業への転職を成功させる戦略
戦略1:上流工程に貢献できる「実績」を言語化する
これまでの開発経験の中で、「なぜその仕様になったのか」「技術的な課題をどう解決したか」といった、設計や要件に関わる思考プロセスを具体的に言語化してください。
単に「実装しました」ではなく、「顧客の〇〇という課題に対し、A/Bテストの結果からこの技術を選定し、結果として〇〇%の改善に貢献した」といった、課題解決型のストーリーが重要です。
戦略2:技術力だけでなく「ビジネス理解力」をアピールする
元請けの現場では、顧客のビジネス目標を理解し、それに貢献できるかが評価のポイントになります。
面接では、「あなたならこの顧客のビジネス上の課題をどう解決しますか?」といった質問がされるかもしれません。技術的なスキルシートだけでなく、「顧客の事業内容や業界動向をどの程度理解しているか」を事前に準備しておきましょう。
戦略3:面談で見極めるべきポイント
企業側が「直請け比率が高い」と主張しても、それが本当かどうかは現場のエンジニアの声を聞くのが一番です。
- 面談相手: 現場のPMやチームリーダーなど、実際に案件に関わる人に会わせてもらう。
- 質問: 「現在のプロジェクトにおけるあなたの役割は?」「顧客とのコミュニケーション頻度は?」など、具体的な業務内容や契約形態について質問し、直請けの実態を確認する。
よくある質問(FAQ)
元請けSESは自社開発企業とどう違いますか?
元請けSESは、顧客のシステム開発を受注し、その現場にエンジニアを派遣(常駐)するビジネスモデルです。一方、自社開発企業は、自社のサービスやプロダクトを開発し、自社内で完結させます。元請けSESは、様々な業界・技術に触れる機会が多く、自社開発は特定のプロダクトに深くコミットできる点が異なります。
経験が浅くても元請け案件に参画できますか?
未経験や経験が極端に浅い場合、いきなり元請け案件の上流工程に参画するのは難しいです。まずは技術力を磨き、3年〜5年の経験を積むことが推奨されます。ただし、元請け企業の中には、教育制度が充実しており、入社後にOJTを通じて上流工程のスキルを育成してくれるところもあります。
元請けSESに転職すると年収はどれくらい上がりますか?
現在の多重下請け構造の深さや、あなたのスキルレベルによりますが、一般的なSES企業から優良な元請けSES企業に転職することで、年収が100万円〜200万円以上アップするケースは珍しくありません。特に還元率が高い企業を選べば、大幅な給与改善が期待できます。
まとめ:あなたのキャリアを次のステップへ
SESエンジニアが多重下請けの構造的な問題から脱却し、給与やキャリアを飛躍させるためには、元請け企業への転職が非常に有効な手段です。
元請けの現場は、高いスキルと責任が求められますが、その分、要件定義や企画といった上流工程に携わり、エンジニアとして最も市場価値の高い経験を積むことができます。
本記事で解説したチェックリストを参考に、あなたの技術力を正当に評価し、成長を支援してくれる「優良な元請けSES企業」を見つけてください。
あなたの市場価値を正しく評価してもらうために
「自分のスキルレベルで元請け企業に通用するだろうか?」「どの企業が本当に直請け比率が高いのか?」
もし一人で転職活動を進めることに不安があるなら、転職のプロであるエージェントに相談するのも非常に有効な手段です。特にIT・Web業界に特化したエージェントは、各SES企業の直請け比率や具体的な案件単価、評価制度を熟知しています。
あなたの市場価値を正しく評価し、キャリアアップに最適な元請け企業と出会うために、まずは無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

応エン