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SESエンジニア必読:なぜ「勤怠管理が厳しい」のか?実態とストレスを減らす具体的対策

「SESの勤怠管理が厳しい」と感じるエンジニアへ。二重管理の実態や、それが起こる理由を徹底解説。労働基準法に基づく対策と、働きやすい環境への転職のコツを紹介します。

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「毎日、客先と自社の両方に勤怠報告をするのが面倒だ」「少しでも打刻が遅れるとすぐに連絡が来る」「残業管理が厳しすぎて、かえってサービス残業が増えた気がする」

客先常駐(SES)という働き方を選んだエンジニアの多くが、勤怠管理の厳しさにストレスを感じています。特に、自社勤務のエンジニアと比べて、なぜSESの勤怠管理は厳しくなりがちなのか、その構造的な理由を理解できずに悩んでいる方も多いでしょう。

この記事では、SES特有の勤怠管理が厳しくなる背景にある「構造的な問題」を徹底的に解説します。さらに、そのストレスを軽減し、より働きやすい環境を選ぶための具体的な対策まで網羅的にご紹介します。現在の状況に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

SESの勤怠管理が「厳しい」と感じる具体的な理由

SESの勤怠管理が厳しくなる背景には、一般的な企業にはない、客先常駐という働き方特有の複雑な事情が絡み合っています。特に大きな原因となるのが、以下の3点です。

構造的な問題:親会社と客先の「二重管理」

SESエンジニアが最もストレスを感じる原因の一つが、勤怠の「二重管理」です。

  1. 客先(現場)の勤怠管理: 実際に業務を行う場所であるため、プロジェクトの進捗管理やセキュリティ上の理由から、現場独自のルールで出退勤時刻や休憩時間を管理されます。
  2. 自社(所属企業)の勤怠管理: 契約上、あなたの雇用主はSES企業です。労働基準法に基づき、残業代の支払い義務や労働時間の管理責任は全て自社にあります。そのため、自社も独自のシステムや報告書で勤怠を管理する必要があります。

この二つの異なるルールに基づいた報告を求められるため、報告の手間が増えるだけでなく、両者の間で少しでも食い違いが生じると、確認作業や修正対応が発生し、結果的に「厳しい」と感じる管理体制となってしまうのです。

契約形態による指揮命令権の違い(準委任と請負)

SESで多く用いられる「準委任契約」は、労働力の提供を目的としており、原則として客先がエンジニアに直接的な業務の指揮命令を行うことはできません。指揮命令権はあくまで自社(雇用主)にあります。

しかし、現実の現場では、客先が直接的に「この時間にこれをやってほしい」「このルールで動いてほしい」と指示を出すことが常態化しています。特に勤怠管理においては、客先が厳しく管理しようとすることで、契約上の指揮命令権の範囲を超えた過剰な管理になりがちです。

自社としては、指揮命令権の逸脱(偽装請負のリスク)を避けるために、客先の管理とは別に、自社で厳格に勤怠をチェックする必要が生じ、これが結果として二重の厳しさを生み出します。

現場の文化や社内ルールの違いによる摩擦

SESは「現場ガチャ」と呼ばれるように、常駐する客先によって文化やルールが全く異なります。

  • 客先の文化が古い場合: 始業時間の15分前出社を暗黙のルールにしていたり、紙ベースでの報告を求められたりするなど、古い慣習が残っている場合があります。
  • 自社の管理体制が過剰な場合: 自社の管理者が、現場でのトラブルを恐れるあまり、必要以上に細かく勤怠をチェックし、報告を義務付けているケースもあります。

特に新卒や経験の浅いWebマーケティング担当者の場合、客先と自社のルールを比較する経験が少ないため、この摩擦を「自分の会社は厳しい」と捉えてしまいがちです。

知っておくべき!厳しい勤怠管理の裏にある法的・契約上の問題

勤怠管理の厳しさが単なる「面倒」を超え、「違法性」を帯びているケースもあります。エンジニアとして自分の権利を守るために、基本的な法的知識を押さえておきましょう。

労働基準法における「指揮命令権」の原則

前述の通り、SESの多くは準委任契約であり、労働者(エンジニア)に対する具体的な業務指示や時間管理を行う「指揮命令権」は、あくまで雇用主である自社にあります。

もし、客先が自社の管理者を介さずに、直接あなたに対して出退勤時刻の厳密な指定や、業務とは関係ない雑務を命じたり、過剰な勤怠管理を行ったりしている場合、それは指揮命令権の逸脱(偽装請負の疑い)にあたる可能性があります。

過剰な勤怠管理が契約形態と合致していないと感じた場合は、契約書(準委任か請負か)を確認し、自社の人事や管理部門に相談する際の重要な根拠となります。

サービス残業や過剰な勤怠報告は違法ではないのか?

厳しい勤怠管理の結果、以下のような問題が発生していないか確認が必要です。

  • サービス残業の強要: 勤怠システム上は定時退社と打刻させ、その後も業務を続けさせる行為は、労働基準法違反です。
  • 休憩時間の不取得: 休憩時間中に業務を強いられている場合、その時間は労働時間として計上されなければなりません。

過剰な勤怠報告自体は直ちに違法ではありませんが、それが実態と乖離した労働時間を報告させる手段となっている場合、問題です。証拠(PCのログイン・ログオフ時間、業務メールの送信時間など)を記録し、客観的な事実に基づいた報告を行うことが重要です。

勤怠管理のストレスを減らすための具体的な対策

現在の現場でストレスを抱えながら働く必要はありません。状況を改善するための3つのステップをご紹介します。

対策1:まずは契約内容と自社のルールを確認する

まず、あなたが自社と結んでいる雇用契約、そして自社が客先と結んでいる契約形態(準委任か請負か)を確認しましょう。これにより、客先からの指示がどこまで許容されるのか、法的な線引きを理解できます。

また、自社の就業規則を確認し、勤怠報告の具体的な手順や、残業・休日出勤の申請ルールを再確認してください。自社のルールを知ることで、客先からの不当な要求に対して「自社の規定では〜」と冷静に対応できるようになります。

対策2:客先・自社への交渉材料を準備する

勤怠管理の厳しさが業務効率を下げている、またはメンタルヘルスに影響を与えていると感じたら、具体的な交渉を検討すべきです。

交渉材料の例:

  • 客観的な勤怠証拠の収集: 実際の作業開始・終了時間を示すPCのログ、メールのタイムスタンプ、チャットの履歴などを記録しておきましょう。
  • 具体的な影響の提示: 「二重報告に毎日30分かかっており、その時間を開発に充てたい」「過剰なチェックによる精神的疲労で集中力が低下している」など、感情論ではなく、業務効率への影響として伝えます。

交渉は、まず自社の営業担当や管理者に相談し、自社から客先に対して改善要求を出してもらうのが最も効果的です。特に新卒や若手の場合、一人で抱え込まず、上司を頼りましょう。

対策3:メンタルヘルスを守るための線引き

厳しい勤怠管理が続く現場では、知らず知らずのうちにストレスが蓄積します。自分の健康を守るための線引きを明確にしてください。

  • 報告のルーティン化: 報告は業務の一部と割り切り、始業時と終業時以外は勤怠管理のことは考えないように意識を切り替えます。
  • 業務時間外の連絡対応の拒否: 終業後の連絡は、緊急性が高い場合を除き、翌日対応することを徹底します。これは自社と客先の双方に事前に伝えておくと効果的です。

根本的な解決策:働きやすいSES企業、または脱SESの選択肢

交渉や対策を講じても状況が改善しない場合、その環境はあなたに合っていない可能性があります。根本的に働き方を見直す時期かもしれません。

「ホワイトなSES企業」を見抜く3つのチェックポイント

すべてのSES企業が厳しい勤怠管理を行っているわけではありません。働きやすい企業を探す際のチェックポイントです。

  1. 離職率と平均勤続年数: 離職率が低く、平均勤続年数が長い企業は、社員の働きやすさに配慮している可能性が高いです。
  2. 給与体系と残業代の支払い: みなし残業代の割合が不当に高くないか、残業代が1分単位で支給される制度になっているかを確認します。
  3. 案件選択の自由度: エンジニアの希望やスキルレベルを尊重し、現場を自由に選ばせてくれる企業は、エンジニアを単なる「コマ」として扱っていない証拠です。

自社開発企業への転職で勤怠管理のストレスから解放される

勤怠管理の厳しさの根本原因は「客先常駐」という形態にあります。もし、二重管理や現場ガチャによるストレスから完全に解放されたいのであれば、自社開発企業への転職を検討するのが最も有効な手段です。

自社開発企業であれば、勤怠管理のルールは一つであり、開発チーム全体で連携して働き方を決めることができます。働き方の自由度や裁量権も高くなる傾向があり、純粋に開発業務に集中できる環境を手に入れられます。

よくある質問(FAQ)

SESで勤怠管理が緩い現場はありますか?

はい、あります。特に成果主義や裁量労働制に近い働き方をしているWeb系・スタートアップ系の客先では、コアタイムのみの管理で、出退勤時間は比較的自由な現場が多いです。ただし、このような現場は高い専門性や自己管理能力を求められる傾向があります。

勤怠報告を忘れた場合、どうなりますか?

多くのSES企業では、勤怠報告の遅延や漏れは厳しくチェックされます。これは、自社が労働基準法上の責任を負っているため、正確な労働時間を把握する必要があるからです。遅延が頻繁になると、自社の上司や管理部門から注意を受けるだけでなく、最悪の場合、客先からの評価にも影響が出る可能性があります。忘れないためのリマインダー設定や、報告をルーティン化することが重要です。

まとめ:ストレスを抱え続ける必要はありません

SESの勤怠管理が厳しいと感じるのは、あなたの感覚が間違っているわけではありません。それは、客先常駐という働き方特有の構造的な問題(二重管理や契約形態のねじれ)に起因しています。

しかし、この問題を放置してストレスを抱え続ける必要はありません。まずは現状の法的・契約的な立ち位置を理解し、自社や客先への交渉を試みましょう。

もし、現在の環境が改善の見込みがなく、あなたのキャリアやメンタルヘルスに悪影響を及ぼしているならば、より働きやすい環境へ移るという選択肢を真剣に検討すべきです。


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