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【エンジニア向け】SES準委任契約の「契約解除」リスクと責任範囲を徹底解説

SES準委任契約の中途解除に不安を感じるエンジニアへ。民法に基づいた解除の条件、クライアント・自己都合のリスク、損害賠償の責任範囲を専門的に解説します。

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SES(システムエンジニアリングサービス)契約で働くエンジニアにとって、プロジェクトの開始や終了は日常です。しかし、予期せぬ「契約解除」や「中途解約」を打診されたとき、自分の責任範囲や法的なリスクが分からず不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に、SESで多く採用される「準委任契約」は、一般的な雇用契約や請負契約とは異なる特殊なルールを持っています。この記事では、SESエンジニアが知っておくべき準委任契約の解除に関する法的知識と、万が一の際に取るべき具体的な行動ステップを解説します。この知識を身につけ、安心してキャリアを築いていきましょう。

SESエンジニアが知るべき「準委任契約」の基本構造

準委任契約とは?請負契約との決定的な違い

SES契約の多くは、クライアントからの「指揮命令権」がない「準委任契約」または「請負契約」で締結されています。この二つの違いを理解することが、契約解除のリスクを把握する上で非常に重要です。

契約形態

目的

特徴

契約解除のリスク

準委任契約

業務遂行そのもの

労働力(技術力)を提供し、業務を遂行する。「善管注意義務」を負う。

原則、いつでも解除可能(民法651条)。成果物責任はない。

請負契約

成果物の完成

指定された期日までに成果物を納品する。

成果物の完成までは発注者が解除できる(損害賠償は必要)。契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を負う。

SESで締結されるのは、多くの場合「準委任契約」です。準委任契約は、「特定の業務を遂行すること」自体を目的とし、労働時間やプロセスに対して対価が支払われます。

準委任契約に「成果物責任(契約不適合責任)」はない

請負契約では、納品した成果物に不具合(バグなど)があった場合、「契約不適合責任」を負い、無償で修正する義務が生じます。しかし、準委任契約のエンジニアが負うのは「善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)」です。

これは「善良な管理者としての注意義務」という意味で、簡単に言えば「その道のプロとして、一般的なレベルの注意を払って業務を遂行する義務」を指します。

極端な話、準委任契約では「最大限の努力をしたにもかかわらず成果が出なかった」としても、それ自体が契約違反にはなりません。

重要なポイント: 準委任契約において、成果が出ないことだけを理由にエンジニア個人が法的な責任を問われることはほとんどありません。問われるのは「業務を遂行する過程で、プロとしての注意を怠ったかどうか」です。

【法的根拠】SES準委任契約の解除は原則「いつでも可能」

SESエンジニアが最も驚くかもしれないのが、準委任契約の解除に関する民法の規定です。

民法第651条が定める解除の自由

民法第651条では、委任契約(準委任契約を含む)について、原則として「各当事者はいつでも解除をすることができる」と定められています。これは、委任契約が当事者間の信頼関係に基づいて成り立っているためです。

クライアント側も、エンジニア側も、特段の理由がなくとも「もう契約を続けたくない」と思えば、原則としていつでも解除を申し出ることが可能です。

ただし、この「いつでも解除できる」という原則が、実務上はいくつかの条件によって制限されます。

ただし「契約期間の定め」がある場合の注意点

ほとんどのSES契約には、3ヶ月や6ヶ月といった「契約期間の定め」があります。期間の定めがあるにもかかわらず、一方の都合で契約を解除する場合、「相手方に不利な時期」に解除したときは、解除した側が損害賠償責任を負う可能性があります。

相手方に不利な時期とは?

例えば、プロジェクトの佳境で代替要員も見つからない状況で、エンジニアが突然「明日から来ません」と申し出るケースなどが該当します。

この「不利な時期」の判断は非常に難しいため、契約書には通常、「中途解除をする場合は、〇ヶ月前までに書面で通知すること」といった予告期間が設定されています。

エンジニアとして中途解約を検討する場合は、必ずこの予告期間を確認し、遵守することがリスク回避の基本となります。

ケース別:契約解除のパターンとエンジニアのリスク

契約解除は、誰の都合で発生したかによって、エンジニアが取るべき対応とリスクが大きく変わります。

パターン1:クライアント都合による契約解除(プロジェクト終了、予算カットなど)

これはエンジニアにとって最も一般的な解除パターンです。プロジェクトのフェーズが終わりを迎えた、クライアント側の予算がカットされた、開発体制が変更になった、といった理由で契約が終了します。

この場合、エンジニア自身に落ち度はありません。

待機期間発生時の給与保証と対応策

契約が解除された後、次のアサイン先が見つかるまでの期間は「待機期間」となります。

SES企業とエンジニアの間で結ばれているのは「雇用契約」であるため、SES企業は労働基準法に基づき、待機期間中も給与(通常は基本給)を支払う義務があります。

もし会社から「待機期間中は給与が出ない」と言われた場合は、労働基準監督署や専門家に相談するべきケースです。

パターン2:エンジニア側からの契約解除(自己都合)

「今のプロジェクトが合わない」「体調を崩した」「スキルアップのため転職したい」など、エンジニア側の都合で契約を解除したい場合です。

前述の通り、民法上は原則いつでも解除可能ですが、契約期間の定めがある場合は注意が必要です。

「やむを得ない事由」がない場合の損害賠償リスク

契約書に定められた予告期間を守らず、クライアントに大きな損害を与えた場合、SES企業を通じて損害賠償を請求される可能性があります。

ただし、実務上、エンジニア個人に高額な損害賠償が請求されるケースは稀です。

なぜなら、損害額を立証するのが難しく、またSES企業がエンジニアを訴えることは、その後の採用活動に悪影響を及ぼすためです。

取るべき行動: まずは自社の営業担当に相談し、契約書に定められた予告期間(例:1〜2ヶ月前)を守って、円満に契約終了できるよう交渉してもらいましょう。

パターン3:パフォーマンス不足を理由としたクライアントからの解除

「技術レベルが期待以下だった」「業務に消極的だった」など、パフォーマンスや態度を理由にクライアントから契約解除を打診されるケースです。

「善管注意義務」違反と判断されるライン

これは、エンジニアが「善管注意義務」を怠ったと判断されるリスクがあるパターンです。

しかし、単に「スキルが足りなかった」だけでは善管注意義務違反にはなりません。

違反と判断されるのは、以下のような悪質なケースです。

  • 重大なミスを繰り返す(意図的または極端な不注意)。
  • 業務報告を怠り、クライアントに隠蔽しようとした。
  • 遅刻や欠勤が常態化し、業務遂行に支障をきたした。

もしクライアントからパフォーマンス不足を指摘された場合は、感情的にならず、具体的な事実(いつ、どのようなミスがあったか)を確認し、自社の営業担当と連携して対応することが重要です。

契約解除を打診された時にエンジニアが取るべき行動ステップ

予期せぬ契約解除を打診された場合でも、冷静に対応するための具体的なステップを紹介します。

ステップ1:まずは契約書の内容を徹底的に確認する

まず、現在のプロジェクトの契約書(または自社とクライアント間の基本契約書)を確認します。特に以下の点をチェックしてください。

  • 契約期間の定め: 契約がいつまで有効か。
  • 中途解除に関する条項: 予告期間や解除の条件が明記されているか。
  • 責任範囲: 損害賠償に関する規定があるか。

もし契約書を保有していない場合は、自社の営業担当に開示を求めてください。

ステップ2:自社の営業・上司に事実関係を正確に報告する

クライアントから直接解除の意向を伝えられた場合でも、絶対にその場で個人的な判断や謝罪をせず、すぐに自社の営業担当または直属の上司に報告してください。

SES契約の解除は「クライアントとSES企業」の間で行われる問題であり、エンジニア個人が直接対応する必要はありません。

事実をありのまま、正確に伝えることが最優先です。

ステップ3:安易な責任を認めず、交渉のプロセスを踏む

クライアントが「あなたのせいでプロジェクトが遅れた」と主張してきても、安易に責任を認める言動は避けてください。

責任の所在や損害の立証は、法的な知識がなければ判断できません。

交渉は必ず自社の営業担当に一任し、エンジニア自身は次のプロジェクトへの準備を進めることに集中しましょう。

契約解除後のキャリア戦略:不安をチャンスに変える方法

契約解除はネガティブな出来事のように感じられますが、これは自身のキャリアを見直す絶好の機会でもあります。

現在のプロジェクトが終了した原因を客観的に分析し、次のアクションに繋げましょう。

1.スキルの棚卸しと市場価値の把握

今回のプロジェクトで「何が足りなかったのか」「次に何を学びたいのか」を明確にします。

市場価値の高いスキルセットを把握し、待機期間を有効活用して集中的に学習することで、次のプロジェクトでより良い条件を勝ち取ることができます。

2.SES以外の働き方も検討する

「プロジェクトが合わない」という課題は、SESという働き方そのものに起因している可能性もあります。

  • 自社開発企業への転職: 安定した環境で自社サービスにコミットしたい場合。
  • フリーランス: 高単価を目指し、契約内容を自分でコントロールしたい場合。

キャリアの選択肢を広げることで、将来的な契約解除のリスクに対する不安も軽減されます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 準委任契約が中途解除された場合、待機期間中の給与はどうなりますか?

SES企業とエンジニアの間には雇用契約があるため、原則として企業は待機期間中も給与(基本給)を支払う義務があります。

もしアサイン先が見つからず、会社都合で休業となった場合は、平均賃金の60%以上の休業手当が支払われます。

Q2. エンジニア都合で契約解除する場合、損害賠償の相場はいくらですか?

損害賠償額はケースバイケースですが、エンジニア個人に高額請求がくることは極めて稀です。

一般的に賠償責任が発生するのは、予告期間を守らなかったことによるクライアントの逸失利益(本来得られるはずだった利益)の補填です。

まずは契約書に基づき、予告期間を守って円満退場を目指しましょう。

Q3. パフォーマンス不足で契約解除された場合、転職に不利になりますか?

契約解除の事実は、法的に開示義務はありません。

転職活動において、正直に話す必要はありますが、伝え方を工夫することが重要です。

「スキルミスマッチがあったが、その経験から具体的な目標と学習計画を立てた」など、前向きな姿勢で伝えることで、むしろ成長意欲をアピールする材料に変えることができます。

契約解除の知識を武器に、次のキャリアへ進む

SESの準委任契約における契約解除は、エンジニアのキャリアにおいて避けて通れないテーマです。

しかし、法的な知識と具体的な対応ステップを理解していれば、過度に不安を感じる必要はありません。

契約解除は「あなたの能力不足」ではなく、「契約上の取り決め」や「ビジネス上の都合」であることが大半です。

もし、今回の契約解除を機に「本当に自分に合う働き方や企業を見つけたい」「自分の市場価値を正しく評価してくれる会社に移りたい」と感じているなら、一度キャリアのプロに相談してみることを強く推奨します。

一人で悩むのではなく、専門的な視点からあなたのスキルと希望を分析し、最適な転職先を見つけるためのサポートを受けることができます。

あなたの市場価値を正しく評価してくれる企業と出会うために、まずは無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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