SIerからWeb系への転職は年収が下がる?「一時的なダウン」を「生涯年収アップ」に変える戦略的キャリア論
「SIerからWeb系エンジニアへの転職は年収が下がる」という噂は本当?その背景にある構造的な理由と、一時的な減収を受け入れてでも転職すべき人の特徴を解説。さらに、年収ダウンを回避するための具体的な企業選びや交渉術も公開します。
キャリアパス診断してみる「今のSIerでの仕事、このままでいいのかな……」
「もっとモダンな技術に触れて、自分の手でサービスを作りたい」
「でも、Web系に行くと年収が下がるって聞くし、結婚も考えているから生活水準は落とせない……」
SIerで働くエンジニアのあなたなら、一度はこんな葛藤を抱いたことがあるのではないでしょうか?
結論から申し上げます。SIerからWeb系への転職において、初年度の年収は下がる可能性が高いです。
しかし、ここでページを閉じないでください。
実は、多くの成功しているWebエンジニアは、「一時的な年収ダウン」を戦略的に受け入れ、その後の数年でSIer時代を大きく上回る年収を実現しています。
この記事では、なぜ転職時に年収が下がるのかという「不都合な真実」を包み隠さず解説した上で、年収ダウンを最小限に抑える方法や、将来的に年収を爆発的に伸ばすためのキャリア戦略をお伝えします。
あなたのエンジニア人生を左右する「決断」のヒントが、ここにあります。
【結論】SIerからWeb系への転職で年収は下がる可能性が高い
まず、現実を直視しましょう。SIerからWeb系(自社開発企業やWeb系受託企業)へ転職する場合、提示される年収は現職の10%〜20%程度下がるケースが一般的です。
例えば、現在年収500万円のSIerエンジニアであれば、400万円〜450万円程度でのオファーになることが多いでしょう。なぜでしょうか?主な理由は2つあります。
なぜ下がるのか?「即戦力」の定義の違い
最大の理由は、評価されるスキルセットが異なるからです。
- SIerでの評価ポイント: プロジェクト管理能力、折衝能力、ドキュメント作成、業界知識、社内政治力
- Web系での評価ポイント: コードを書くスピードと質、最新技術への適応力、サービスの成長への貢献度
SIerで「リーダー経験あり」「上流工程経験あり」といっても、Web系企業から見れば、モダンな言語(Go, Ruby, Pythonなど)やクラウド(AWS, GCP)での「開発実務経験」がなければ、技術的には「ジュニア(初心者)」扱いになってしまうのです。
「マネジメントはできるが、コードは書けない」状態だと、Web系では即戦力とは見なされにくいのが現実です。
平均年収の構造的な違い(ビジネスモデルの差)
大手SIerは、多重下請け構造の上流に位置し、安定した収益基盤があるため、年功序列で給与が高めに設定されています。
一方、Web系企業(特にスタートアップやベンチャー)は、成果主義です。利益が出ていなければ高い給与は払えませんし、年齢や社歴は給与に反映されません。
「これから成長する企業」に入る場合、どうしても初期の給与ベースは大手SIerに比べて低くなりがちです。
それでもWeb系エンジニアを目指すべき「3つの理由」
「じゃあ、給与が下がるなら転職しない方がいいのでは?」
そう思うかもしれませんが、それでも多くのエンジニアがWeb系を目指すのには、明確なメリットがあるからです。
1. スキルと市場価値の向上(個人の力で稼ぐ)
SIerでのスキルは「その会社(またはその業界)でしか通用しない」ものになりがちです(社内システムの仕様や、古い独自フレームワークなど)。
対してWeb系のスキル(モダンな開発言語、インフラ構築、アジャイル開発など)は、市場価値が非常に高く、会社が変わっても持ち運び可能です。
「会社という看板」がなくても、「あなたの技術力」だけで食べていけるようになります。これは、終身雇用が崩壊した現代において最強の安定です。
2. 働き方の柔軟性と副業のしやすさ
Web系企業はリモートワークやフレックスタイム制が進んでおり、働き方の自由度が高い傾向にあります。
また、副業を推奨している企業も多く、本業で得たWeb技術を使って土日に副業案件をこなし、月5万〜10万円をプラスで稼ぐエンジニアも珍しくありません。
本業の年収が多少下がっても、副業で補填し、トータルの収入を増やすことが可能です。
3. 給与の上がり幅が違う(成果主義の恩恵)
ここが最も重要なポイントです。
SIerは年功序列で「毎年数千円〜1万円」ずつの昇給ですが、Web系は成果を出せば一気に年収が上がります。
- SIer: 入社時500万 → 3年後530万
- Web系: 入社時450万(ダウン) → 1年後500万 → 3年後650万
このように、入社時のダウンを2〜3年で回収し、その後はSIer時代を大きく追い抜くケースが多々あります。Web系は「実力次第で青天井」の世界なのです。
年収ダウンを「許容範囲」にするための考え方
転職における年収ダウンは、単なる「損失」ではなく、「将来への投資」と捉える視点が大切です。
目先の年収より「生涯年収」と「スキル資産」を見る
例えば、英語を学ぶために留学をする時、一時的に収入は減りますよね?Web系への転職もそれと同じです。
「モダンな開発環境で、給料をもらいながら学ばせてもらう」と考えれば、一時的な減収は授業料のようなものです。
SIerに残り続けて「40代で技術がわからない管理職」になり、リストラにおびえる未来と、
Web系で「どこでも通用する技術力」を身につけ、フリーランスとしても月単価80万〜100万を稼げる未来。
生涯年収で見たとき、どちらが豊かになれるでしょうか?
年収ダウンを最小限に抑える!Web系転職の成功戦略
とはいえ、生活がありますから、年収ダウンはできるだけ避けたいものです。ここでは、ダウン幅を最小限にする、あるいは維持するための具体的なアクションを紹介します。
ポテンシャル採用ではなく「自社開発×メガベンチャー」を狙う
資金力のない小規模な受託会社やスタートアップは、どうしても給与水準が低くなります。
年収を維持したいなら、「メガベンチャー(Web系大手)」や「資金調達済みの有力スタートアップ」を狙いましょう。これらの企業は、SIer出身者のポテンシャル(基礎能力の高さ、真面目さ)を高く評価し、前職の給与を考慮してくれる場合があります。
個人開発(ポートフォリオ)で技術力を証明する
「実務経験はありません」と言葉で言うだけでは、買い叩かれます。
GitHubにコードを公開したり、実際に動くWebアプリを個人開発してポートフォリオとして提出しましょう。
「業務ではJavaだが、個人でRuby on RailsとAWSを使ってアプリを作っている」
これだけで、「未経験」ではなく「独走力のあるエンジニア」として評価され、年収交渉の武器になります。
年収交渉に強い転職エージェントを活用する
そして最も効果的なのが、「年収交渉のプロ」を味方につけることです。
自分一人で「年収は500万円以上欲しいです」と言うのは勇気がいりますし、相場感がわからないと失敗します。
Web業界に強い転職エージェントは、あなたのSIerでの経験(折衝能力やリーダー経験など)をWeb系企業向けに「翻訳」してアピールし、あなたの代わりに年収交渉を行ってくれます。
特に、SIerからWeb系へのキャリアチェンジ支援に実績のあるエージェントを選ぶことが重要です。
▼ Web系へのキャリアチェンジに強いエージェントはこちら
[【エンジニア転職】おすすめのエージェント厳選リスト(内部リンク)]
よくある質問(FAQ)
Q. 30代ですが、今からWeb系へ転職して年収を取り戻せますか?
A. 十分可能です。30代の場合、技術力だけでなく「マネジメント経験」や「ドメイン知識(金融、物流など)」が評価されます。テックリードやプロジェクトマネージャー候補として入社できれば、年収アップも狙えます。
Q. 勉強してから転職すべきですか?
A. 基礎学習は必要ですが、完璧を求めて時間をかけすぎるのはNGです。Web業界は変化が速いので、ある程度基礎(ProgateやRailsチュートリアルなど)を終えたら、ポートフォリオを作って転職活動を始め、実務の中で成長するのが最短ルートです。
まとめ:一時的な年収ダウンを恐れず、市場価値の高いエンジニアへ
SIerからWeb系への転職で、一時的に年収が下がるのは事実です。
しかし、それは「未来の自分への投資」であり、正しい努力を続ければ数年で回収・逆転が可能です。
- 評価基準の違いを理解する
- ポートフォリオで技術への意欲を示す
- エージェントを使って賢く年収交渉をする
これらを実践すれば、年収ダウンを最小限に抑えつつ、憧れのWebエンジニアとしてのキャリアをスタートできます。
最もリスクなのは、「年収が下がるのが怖い」といって行動せず、気づいたら市場価値のないエンジニアになってしまうことです。
まずは自分の市場価値を知り、どのような企業なら年収を維持できそうか、プロに相談することから始めてみませんか?

応エン