SESエンジニア必読:商流を「飛ばす」仕組みと高単価を実現する現実的な戦略
SESの多重下請け構造に悩むエンジニアへ。商流を飛ばして報酬を最大化する具体的な方法を解説。違法性やリスク、直請け案件獲得のためのスキル戦略を徹底網羅。
キャリアパス診断してみるはじめに:なぜSESエンジニアは「商流を飛ばしたい」のか?
「どれだけ頑張っても給料が増えない」「自分の単価と給与の差が大きすぎる」
客先常駐(SES)として働くエンジニアなら、一度はそう感じたことがあるかもしれません。特に、自分が担当している業務の対価として、顧客が自社に支払っている金額(単価)を知ったとき、その差額(マージン)の大きさに愕然とするケースは少なくありません。
この「中間搾取」とも呼ばれる構造を打破し、自身の報酬を最大化したい。その願いを叶える手段として注目されるのが、「SES 商流 飛ばし」です。
この記事では、SESの商流の仕組みを理解し、会社員として働く上での限界、そして報酬を最大化するための現実的かつ実践的な戦略を具体的に解説します。
SESの商流構造とは?「N次請け」の仕組み
SES(System Engineering Service)は、技術者を顧客企業に派遣し、労働力として提供する契約形態(多くは準委任契約)を指します。
この業界では、案件が発注者(エンドクライアント)から直接SES企業に依頼されることは稀です。多くの場合、大手SIerや元請け企業から二次請け、三次請けと、複数の企業を経由して案件が流れてきます。これが「商流(取引の流れ)」であり、「N次請け」と呼ばれる多重下請け構造を生み出します。
例えば、あなたが四次請けの企業に所属している場合、案件の単価はエンドクライアント→元請け→二次請け→三次請け→あなたの所属企業、という流れで徐々にマージンが引かれていきます。
エンジニアの給与を圧迫する「中間マージン」の正体
各企業が商流の間に挟まるたびに、必ず「中間マージン」が発生します。このマージンは、単に企業の利益になるだけでなく、営業コスト、管理費用、福利厚生費用、そして万が一の待機期間の給与保証などに充てられています。
しかし、商流が深くなる(N次請けのNが大きくなる)ほど、エンジニアが受け取る報酬の割合は低下します。特に、三次請け以降になると、エンジニアが貢献している価値に対して、あまりにも少ない給与しか受け取れないという不満が生まれやすくなります。
SESにおける「商流飛ばし」の定義と現実
商流を「飛ばす」とは具体的にどういう状態か?
エンジニアが言う「商流を飛ばす」とは、文字通り、案件獲得の過程で間に挟まっている企業を排除し、エンドクライアントまたはそれに限りなく近い企業(直請け)と直接契約を結ぶことを意味します。
これにより、中間マージンを最小限に抑え、自身の単価を大幅に引き上げることが可能になります。究極的には、直請け案件を獲得することで、単価の大部分を自分の報酬として受け取れる状態を目指します。
会社員として商流を飛ばすのはほぼ不可能
結論から言うと、SES企業の「正社員」として働きながら、商流を意図的に飛ばすのは極めて困難です。
なぜなら、あなたが所属するSES企業は、あなたが顧客先で働くことによってマージンを得ているからです。企業は、既存の商流や取引関係を維持するために動いています。
もしあなたが顧客(エンドクライアント)と直接交渉し、契約を「飛ばそう」とすれば、それは所属企業との信頼関係を破壊する行為であり、契約違反や解雇リスクに直結します。
したがって、「商流を飛ばして報酬を最大化する」という目標を達成するためには、働き方そのものを変える必要があります。
【戦略1】フリーランスとして独立し、商流を断ち切る
最も直接的に商流を断ち切る方法は、会社を辞めて「フリーランスエンジニア」として独立することです。
フリーランスになれば、企業に所属せず、個人事業主としてエンドクライアントと契約を結ぶことができます。これにより、マージンは自分の営業や管理コストとなり、報酬として受け取ることが可能です。
フリーランスが直請け案件を獲得するメリットとリスク
メリット | リスク |
|---|---|
報酬が大幅にアップする(単価の80%以上が手取りになるケースも) | 案件が途切れた際の収入がゼロになる |
働く場所や時間、案件内容を自分で選べる | 営業、経理、税務処理を全て自分で行う必要がある |
キャリアの自由度が高い | 社会保険や福利厚生がない(自己負担) |
直請け案件を獲得するために必要な「市場価値」の高め方
フリーランスとして直請け案件を獲得するには、単に技術力があるだけでは不十分です。エンドクライアントは、リスクを負って個人と直接契約を結ぶため、次のスキルを総合的に求めます。
- 専門性の高い技術スキル: 汎用的なスキルではなく、特定の言語、フレームワーク、クラウド技術(例:AWS、GCP)における深い専門性。
- 自己解決能力と推進力: 指示待ちではなく、課題設定から解決までを自律的に行える能力(プロパー社員と同等以上の働きが期待される)。
- コミュニケーション能力: 技術的な内容を非技術者にも分かりやすく説明し、顧客と円滑な関係を築くビジネスコミュニケーション能力。
【戦略2】高単価エージェントを活用し、商流を短縮する
「いきなりフリーランスになるのは不安だが、報酬は上げたい」という方に現実的なのが、高単価のフリーランスエージェントを活用することです。
高単価エージェントが「商流短縮」を実現できる仕組み
優秀なフリーランスエージェントは、エンドクライアントや大手SIerと直接取引できるパイプを持っています。これにより、間に挟まる企業を一つ、あるいは二つ減らす「商流短縮」を実現します。
エージェントは手数料(マージン)を取りますが、そのマージン率は一般的なSES企業よりも低いことが多く、結果的にエンジニアの手取り単価が大幅に向上します。
これは、フリーランスとして独立する際のリスク(営業や事務作業)を回避しつつ、高単価案件にアクセスできる非常に効率的な方法です。
エージェント利用で注意すべき点:マージン率の確認
エージェントを選ぶ際は、公開されている案件の単価だけでなく、エージェントのマージン率や、単価交渉の透明性を確認することが重要です。優良なエージェントは、マージン率を低く抑え、単価交渉の結果をエンジニアに正直に開示します。
商流を短縮・直請け化するために今すぐ始めるべき行動
商流を飛ばす、または短縮することは、あなたの市場価値が伴って初めて可能になります。感情論ではなく、市場原理に基づいた準備を始めましょう。
自分の市場価値を正しく把握する(単価交渉の準備)
単価交渉やフリーランス独立の準備として、まずは自分のスキルが市場でいくらの価値があるのかを知ることが重要です。
- スキルシートの棚卸し: 経験したプロジェクト、使用技術、達成した成果を具体的な数値で記述します。
- 客観的な評価: 複数のフリーランスエージェントに登録し、自分のスキルシートを提示して査定を受けることで、客観的な市場単価を把握しましょう。
技術スキル+αで求められるビジネススキル
商流の上流に近づくほど、技術力だけでなく、ビジネス全体を理解する能力が求められます。
- 課題解決力: 顧客が抱える真の課題を見つけ出し、技術で解決策を提案する力。
- プロジェクト管理の知識: 準委任契約であっても、納期や品質に対する意識、進捗を適切に報告する能力は高単価に直結します。
- E-E-A-Tの向上: 自身の専門性(Expertise)や経験(Experience)をブログやSNSで発信し、業界内での権威性(Authority)と信頼性(Trust)を高めることも、直請け案件獲得の強力な武器になります。
【Q&A】SESの商流と違法性に関するよくある質問
Q1. 「偽装請負」と「特定派遣」の違いは?
「偽装請負」は、契約上は請負や準委任だが、実態は派遣のように客先企業の指揮命令下で業務を行っている、違法な状態を指します。SESでは、この偽装請負のリスクが常に存在します。一方、「特定派遣」は2015年の労働者派遣法改正により廃止され、現在は「労働者派遣事業」に一本化されています。
Q2. 契約書で商流の開示を求めることはできるか?
会社員の場合、原則として企業間の取引に関する情報は機密情報であるため、商流や単価の開示を求めることは困難です。しかし、フリーランスとしてエージェント経由で案件を探す場合、優良なエージェントはエンジニアの納得感を高めるため、単価の透明性を確保しているケースが多くあります。
まとめ:報酬最大化は「行動」から始まる
SESの商流を「飛ばす」ことは、会社員という立場では限界があります。しかし、自分の市場価値を高め、フリーランス独立や高単価エージェントの活用という「行動」を選ぶことで、中間マージンを最小化し、報酬を最大化することは十分に可能です。
重要なのは、現在の不満をエネルギーに変え、求められるスキルを習得し、市場価値を正しく把握することです。あなたのキャリアは、あなたが主体的に選択することで大きく変わります。
職務経歴書の添削やキャリア相談はプロに任せるのも一つの手
「一通り自分のスキルを棚卸ししてみたけど、本当にこの単価で通用するのか客観的な意見が欲しい…」
「フリーランス独立を考えているが、どのエージェントが良いか迷っている…」
もし一人で悩んでいるなら、IT業界に特化したキャリアのプロや、高単価案件を専門とするエージェントに相談するのは非常に有効な手段です。
彼らは、あなたの市場価値を正しく評価し、商流が短く、かつ高単価な案件と出会うための具体的なアドバイスを提供してくれます。あなたの市場価値を正しく評価してくれる企業と出会うために、まずは無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

応エン