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SESの「現場ガチャ」は回避できる!ハズレを引かないための対策と優良企業の見分け方

SESの「現場ガチャ」に悩んでいませんか?ハズレ現場の特徴から、当たり現場を引き当てる具体的な対策、優良企業の見分け方まで徹底解説。あなたのキャリアを守るための知識がここにあります。もう運任せの働き方はやめましょう。

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「次の現場は大丈夫だろうか…」「スキルアップできる環境だといいな…」

SES(システムエンジニアリングサービス)で働くエンジニアなら、誰もが一度は抱えるこの不安。通称「現場ガチャ」と呼ばれる、配属先によって労働環境やキャリアが大きく左右されてしまう問題です。

この記事を読んでいるあなたも、もしかしたら今の現場に不満があったり、次の現場への漠然とした不安を感じていたりするのではないでしょうか。

この記事では、そんな「現場ガチャ」の不安から解放され、エンジニアが主体的にキャリアを築くための具体的な方法を徹底解説します。ハズレ現場を回避し、当たり現場を引き寄せるための知識を身につけ、運任せの働き方から卒業しましょう。

なぜSESは「現場ガチャ」と呼ばれてしまうのか?

そもそも、なぜSESでは「現場ガチャ」が起こりやすいのでしょうか。その理由は、SESという働き方の構造そのものにあります。

そもそもSESとは?客先常駐の仕組み

SESとは、自社(SES企業)と雇用契約を結んだエンジニアが、クライアント企業(客先)に常駐して技術力を提供する働き方です。指揮命令権は自社にありますが、実際の業務は客先のオフィスで行います。

様々なプロジェクトに参加できるため、多様な経験を積みやすいというメリットがある一方、働く環境が自社ではなく客先に依存するという特徴があります。

案件や配属先をエンジニアが選べない構造

最大の問題は、エンジニア自身が案件(配属先)を自由に選べないケースが多いことです。どの現場に行くかは、自社の営業担当が持ってくる案件や、会社の方針、エンジニアのスキルと案件のマッチング状況によって決まります。

そのため、自分の希望とは異なるスキルセットの現場や、劣悪な労働環境の現場に配属されてしまう可能性が常に付きまとうのです。

営業担当の力量に左右される現実

自社の営業担当が、あなたのキャリアプランをどれだけ理解し、スキルに見合った優良案件を獲得できるか。この「営業ガチャ」の要素も、現場ガチャに大きく影響します。

エンジニアのキャリアよりも会社の利益を優先する営業担当にあたってしまうと、スキルが身につかない案件や、いわゆる「ハズレ現場」にアサインされるリスクが高まります。

要注意!SESの「ハズレ現場」でよくある5つの特徴

では、具体的にどのような現場が「ハズレ」と呼ばれてしまうのでしょうか。代表的な5つの特徴を見ていきましょう。もし複数当てはまる場合は、注意が必要です。

1. スキルが身につかない(テスト・保守・雑用)

開発経験を積みたいのに、テスターとしてExcelにエビデンスを貼り付ける作業ばかりさせられる。あるいは、何年も前に作られたシステムの保守・運用がメインで、新しい技術に全く触れられない。このような現場では、市場価値の高いスキルを身につけることは困難です。

2. 技術レベルが低い・レガシーな環境

チーム全体の技術レベルが低く、コードレビューの文化がなかったり、バージョン管理システムが未だにSubversionだったり…といったレガシーな環境もハズレ現場の典型です。モダンな開発手法を学びたいエンジニアにとっては、大きなストレスになります。

3. 長時間労働が常態化している

慢性的な人手不足や無茶なスケジュールにより、深夜残業や休日出勤が当たり前になっている現場です。心身ともに疲弊し、スキルアップのための自己学習の時間も確保できません。このような環境は、早急に抜け出すべきです。

4. 人間関係が悪い・プロパー社員との壁

客先のプロパー社員からの当たりが厳しかったり、SESエンジニアを「外部の人間」として扱ったりする現場も存在します。コミュニケーションが取りづらく、精神的に追い詰められてしまうケースも少なくありません。

5. 契約内容と実際の業務が違う

「JavaでのWebアプリ開発」と聞いていたのに、実際はVBAでのツール作成やサーバー監視がメインだった、というように、事前の説明と業務内容が大きく異なるケースです。これは営業担当の確認不足や、客先の説明不足が原因で起こります。

「現場ガチャ」を回避する!エンジニアができる5つの対策

「どうせ運だから…」と諦める必要はありません。ガチャの成功確率を上げるために、エンジニア自身ができる対策は数多く存在します。受け身の姿勢を捨て、主体的に行動しましょう。

対策1:営業担当と密に連携し、希望を明確に伝える

まずは、あなたのキャリアプランや希望を営業担当に具体的に伝えることが重要です。「モダンなWeb開発がしたい」「クラウド技術に触れたい」など、具体的にどんなスキルを身につけたいのか、どんな環境で働きたいのかを言語化して共有しましょう。定期的な面談を申し出るのも有効です。

対策2:スキルシートを充実させ、市場価値を高める

スキルシートは、あなたの価値を客先に伝えるための最も重要な書類です。経験した業務内容をただ羅列するのではなく、「どのような課題を」「どう解決し」「どんな成果を出したか」を定量的に記述しましょう。また、自己学習で得たスキルや個人開発の実績をアピールすることも、案件の選択肢を広げる上で非常に効果的です。

対策3:【最重要】客先との面談で「逆質問」を徹底する

客先との面談は、あなたをアピールする場であると同時に、あなたが現場を見極める場でもあります。遠慮せずに、気になることは積極的に質問しましょう。良い質問は、あなたの技術への意欲を示すことにも繋がります。

<面談での逆質問・確認ポイント例>

  • 開発プロセスについて: 「コードレビューの文化はありますか?」「CI/CDは導入されていますか?」
  • チーム体制について: 「チームの人数構成(プロパーとSESの比率など)を教えてください」「1日のタスクはどのように管理されていますか?」
  • 技術について: 「利用している技術スタックのバージョンを教えてください」「今後導入を検討している新しい技術はありますか?」
  • 労働環境について: 「チームの平均的な残業時間はどれくらいですか?」

これらの質問への回答が曖昧だったり、担当者が不機嫌になったりする場合は、その現場に何かしらの問題がある可能性が高いと判断できます。

対策4:契約内容を事前にしっかり確認する

参画が決まる前に、契約内容(業務内容、役割、期間など)を改めて書面で確認させてもらいましょう。口頭での説明と相違がないか、自分の認識とズレがないかを最終チェックすることで、「話が違う」という事態を防ぎます。

対策5:SNSや口コミサイトでリアルな情報を収集する

企業の公式サイトや求人票だけでは分からない、現場のリアルな情報を得ることも重要です。企業の口コミサイトや、TwitterなどのSNSで、実際にその客先で働いた経験のある人の声を探してみましょう。ただし、ネガティブな情報ばかりを鵜呑みにせず、あくまで参考程度に留めるバランス感覚も大切です。

「当たり」を引く確率を上げる!優良SES企業の見分け方

そもそも所属しているSES企業が「ガチャ」の確率を大きく左右します。もし今の会社に不満があるなら、より良い環境を提供してくれる優良企業への転職も有効な選択肢です。

<優良SES企業を見分けるチェックリスト>

  • エンジニアのキャリアプランを重視してくれるか: 定期的なキャリア面談があり、希望に沿った案件を提案しようとしてくれる。
  • 案件の選択肢が豊富で、単価を公開しているか: 多くの取引先があり、エンジニアに案件の選択肢を提示してくれる。また、契約単価を公開し、給与への還元率が高い(60%以上が目安)。
  • 待機期間中の給与保証や研修制度が充実しているか: 案件がない期間も給与が100%保証される。また、スキルアップのための書籍購入補助や資格取得支援制度が整っている。
  • 営業担当の評判が良いか: エンジニア出身の営業担当がいる、またはITへの理解が深く、エンジニアに寄り添った対応をしてくれる。

もしハズレ現場を引いてしまったら?冷静な対処法

対策をしても、ハズレ現場に当たってしまう可能性はゼロではありません。もしそうなってしまった場合は、感情的にならず、冷静に対処しましょう。

まずは自社の営業担当に相談する

一人で抱え込まず、まずは自社の営業担当に現状を正直に伝えましょう。「契約内容と業務が違う」「労働環境に問題がある」など、具体的な事実を整理して相談することが重要です。信頼できる営業担当であれば、客先と交渉してくれるはずです。

契約期間を確認し、次の現場への異動を申し出る

多くの場合、SESの契約は3ヶ月ごとに更新されます。契約更新のタイミングは、現場を離れる絶好の機会です。営業担当に相談の上、契約満了をもって別の現場へ異動したいという意思を伝えましょう。

どうしても改善しない場合は転職も視野に入れる

会社に相談しても状況が改善されない、そもそも会社自体がエンジニアのキャリアを考えてくれない。そんな場合は、その会社に留まるメリットはありません。あなたのキャリアを守るために、前向きな転職を検討しましょう。

よくある質問(Q&A)

最後に、SESの現場ガチャに関してよくある質問にお答えします。

Q. 現場を変えてほしいと言ったらクビになりますか?

A. 正当な理由があれば、クビになることはまずありません。SES企業にとってエンジニアは商品であり、客先に常駐して初めて売上が立ちます。現場を変わりたいと申し出ただけで解雇されることは、労働契約法上も考えにくいです。ただし、伝え方には配慮が必要です。

Q. 未経験からSESに入るのは「ガチャ」のリスクが高いですか?

A. スキルが少ない分、選択肢が狭まり、テストや監視などの下流工程の案件に配属される可能性は高くなります。そのため、未経験者向けの研修制度が充実している企業や、開発案件に力を入れている企業を選ぶことが非常に重要です。

Q. SESから自社開発企業への転職は可能ですか?

A. 可能です。実際にSESで多様な開発経験を積み、そのスキルを武器に自社開発やWeb系企業へ転職するエンジニアは数多くいます。重要なのは、SESの環境でいかに市場価値の高いスキルを意識的に身につけていくかです。個人開発でポートフォリオを作成することも有効なアピールになります。

まとめ:「ガチャ」を卒業し、自分のキャリアは自分で選ぶ時代へ

SESの「現場ガチャ」は、その構造上、完全になくすことは難しいかもしれません。しかし、本記事で紹介したように、エンジニア自身の主体的な行動によって、ハズレを引く確率を下げ、当たりを引く確率を上げることは十分に可能です。

  • 営業担当と連携し、希望を明確に伝える
  • スキルシートを磨き、市場価値を高める
  • 面談では受け身にならず、現場を見極める
  • そもそも所属する企業を見極める

これらの対策を実践し、「運任せ」の働き方から卒業しましょう。あなたのキャリアは、会社や営業担当のものではなく、あなた自身のものです。この記事が、あなたが主体的にキャリアを切り拓くための一助となれば幸いです。

職務経歴書の添削やキャリア相談はプロに任せるのも一つの手

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