Amazon SES利用料は経費になる?フリーランス・中小企業向け会計処理ガイド
Amazon SESの利用料を経費にできるか、勘定科目は何か、個人事業主・法人別の仕訳例まで解説。確定申告で困らないためのポイントが分かります。
キャリアパス診断してみるAmazon SES利用料は経費になる?基本的な考え方
Amazon Simple Email Service(SES)は、メール送信機能を提供するクラウドサービスとして、多くのエンジニアや企業に利用されています。しかし、「この利用料、経費になるのだろうか?」「どの勘定科目で処理すればいい?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、事業のためにAmazon SESを利用した費用は、すべて経費として計上できます。 確定申告や法人税申告の際に適切に処理することで、税負担を軽減することが可能です。
事業で利用する費用は全て経費になる
税法上、事業を行う上で発生した費用は「経費」として認められます。Amazon SESの利用料も、以下のような事業活動のために使われたものであれば、経費として計上できます。
- 顧客へのサービス通知メールの送信
- ECサイトの注文確認メールや発送通知メール
- 自社開発システムのユーザー認証メール
- マーケティング目的のメルマガ配信
- 開発中のテストメール送信
重要なのは、その費用が「事業に直接関連しているか」という点です。
プライベート利用との区別(家事按分)
もしAmazon SESをプライベートでも利用している場合は注意が必要です。事業とプライベートの両方で利用する費用は「家事按分(かじあんぶん)」という方法で、事業に利用した割合分だけを経費として計上します。
例えば、SESで送信したメールのうち9割が事業用、1割がプライベート用であれば、利用料の9割を経費として計上することになります。この割合は、メールの送信数や利用時間など、合理的な根拠に基づいて設定する必要があります。
Amazon SES利用料の適切な勘定科目
Amazon SESの利用料を経費として計上する際、どの勘定科目を選ぶべきか迷うことがあります。税法上、厳密に定められたルールはありませんが、事業内容や利用実態に合わせて最も適切なものを選ぶことが重要です。一度決めた勘定科目は、継続して使用するようにしましょう。
ここでは、主な勘定科目とその判断基準を解説します。
通信費
インターネット関連費用や電話代など、通信に関する費用を計上する際に使われる勘定科目です。メール送信サービスであるAmazon SESは、この「通信費」として処理するのが一般的で、最も適切と判断されることが多いです。
- 主なケース: 顧客への通知、メルマガ配信、システムからの自動送信など、メール通信そのものが主な目的の場合。
消耗品費
取得価額が10万円未満、または使用可能期間が1年未満の物品を計上する際に使われます。クラウドサービスの利用料は物理的な「消耗品」ではありませんが、ソフトウェアライセンスや一部のクラウドサービス利用料を「消耗品費」として処理するケースもあります。
- 主なケース: 比較的少額で、他の費用と一緒にまとめて処理したい場合。ただし、通信費の方がより直接的です。
広告宣伝費
商品やサービスの販売促進を目的とした広告活動にかかる費用です。Amazon SESを利用してメルマガを配信し、それが直接的な集客や売上向上に繋がる場合は、この勘定科目も選択肢になります。
- 主なケース: 新商品のプロモーションやキャンペーン告知など、マーケティング目的のメール配信が主である場合。
開発費(ソフトウェア開発費)
自社でソフトウェアやシステムを開発する際に発生する費用です。SESが、開発中のシステムに組み込むための機能として利用される場合、開発費の一部とみなすことも可能です。
- 主なケース: 開発中のアプリケーションにSESを組み込み、そのテストや本番稼働のために利用する場合。
その他(雑費)
どの勘定科目にも当てはまらない、少額かつ頻繁に発生しない費用を計上する際に使われます。しかし、Amazon SESは継続的に利用されることが多いため、基本的には他の具体的な勘定科目を選ぶべきです。
どの勘定科目を選ぶべきか?判断基準
迷った場合は、以下の基準で判断しましょう。
- 最も事業内容に合致するもの: メール送信というサービスの性質上、「通信費」が最も直接的で分かりやすいケースが多いです。
- 継続性: 一度決めた勘定科目は、会計期間を通して継続して使用し、途中で変更しないようにしましょう。これにより、会計処理の一貫性が保たれ、税務調査などでも説明しやすくなります。
- 金額の大小: 少額であれば「消耗品費」や「雑費」でまとめてしまうことも可能ですが、金額が大きくなる場合はより適切な勘定科目を選ぶべきです。
【ケース別】Amazon SES利用料の仕訳例
実際にAmazon SESの利用料を会計ソフトに入力する際の仕訳例を見てみましょう。ここでは、利用料が1,000円(消費税100円)だったと仮定します。
個人事業主の場合
個人事業主の場合も、法人の場合と同様に仕訳を行います。事業用の銀行口座から引き落とされた場合を想定します。
日付 | 勘定科目 | 摘要 | 金額(借方) | 勘定科目 | 摘要 | 金額(貸方) |
|---|---|---|---|---|---|---|
〇月〇日 | 通信費 | Amazon SES利用料 | 1,000円 | 普通預金 | 事業用口座より | 1,100円 |
仮払消費税 | 100円 |
法人の場合
法人の場合も、基本的には個人事業主と同じ仕訳になります。法人の銀行口座から引き落とされた場合を想定します。
日付 | 勘定科目 | 摘要 | 金額(借方) | 勘定科目 | 摘要 | 金額(貸方) |
|---|---|---|---|---|---|---|
〇月〇日 | 通信費 | Amazon SES利用料 | 1,000円 | 普通預金 | 法人口座より | 1,100円 |
仮払消費税 | 100円 |
消費税の扱いと仕訳
Amazon SESの利用料には消費税がかかります。日本の消費税法においては、海外事業者からのサービス購入でも、そのサービスが日本国内で消費される場合は消費税の課税対象となります(リバースチャージ方式の対象外となるケースが多い)。
上記の仕訳例では、消費税分を「仮払消費税」として計上しています。これは、消費税の納税額を計算する際に、仕入れ時に支払った消費税を差し引く(仕入税額控除)ために必要な処理です。
免税事業者の方へ: 免税事業者の場合は、消費税を区分して計上する必要がないため、通信費として消費税込みの金額(1,100円)をまとめて計上します。
日付 | 勘定科目 | 摘要 | 金額(借方) | 勘定科目 | 摘要 | 金額(貸方) |
|---|---|---|---|---|---|---|
〇月〇日 | 通信費 | Amazon SES利用料 | 1,100円 | 普通預金 | 事業用口座より | 1,100円 |
経費計上時に押さえておきたい重要ポイント
Amazon SESの利用料を適切に経費計上するために、いくつか重要なポイントがあります。これらを押さえることで、税務調査などで問題になるリスクを減らすことができます。
利用明細(領収書)の保管
経費として計上する費用には、必ずそれを証明する書類が必要です。Amazon SESの場合、AWSの管理コンソールからダウンロードできる「利用明細」がこれに当たります。
- 毎月ダウンロード: 毎月の利用明細を忘れずにダウンロードし、データまたは紙で保管しておきましょう。
- 詳細情報: 利用サービスの名称(Amazon SES)、利用期間、金額、支払先(Amazon Web Services)が明記されていることを確認してください。
- 電子帳簿保存法: 電子データでの保存も可能ですが、要件を満たす必要があります。不安な場合は税理士に相談するか、紙で出力して保管しましょう。
事業利用の明確化
前述の通り、経費として認められるのは「事業のために使われた費用」のみです。もしプライベートでも利用している場合は、家事按分を行い、その根拠を明確にしておくことが重要です。
- 記録: 事業利用とプライベート利用の割合をどのように算出したか、その根拠をメモなどに残しておきましょう。
- 分離: 可能であれば、事業用とプライベート用でアカウントを分けるなど、利用状況を明確に区別できる体制を整えるのが最も確実です。
少額の場合の注意点
Amazon SESは無料枠があり、それを超えても非常に安価な料金で利用できるため、毎月の利用料が数百円程度というケースも少なくありません。少額だからといって経費計上を怠ると、年間ではそれなりの金額になることもあります。
たとえ少額であっても、事業に必要な費用であればきちんと経費計上することで、節税効果が得られます。面倒がらずに毎月処理するように心がけましょう。
さらに節税効果を高めるには?
Amazon SESの経費処理だけでなく、事業全体の経費を見直すことで、さらに節税効果を高めることができます。
他のクラウドサービス利用料と合わせて見直す
AWSの他のサービス(EC2, S3, Lambdaなど)や、GCP、Azureといった他社のクラウドサービスも利用しているエンジニアは多いでしょう。これらの利用料も、すべて事業用であれば経費として計上できます。
- 一括管理: 毎月の利用明細をまとめて管理し、会計ソフトへの入力漏れがないか定期的にチェックしましょう。
- 勘定科目の一貫性: 各サービスごとに適切な勘定科目を設定し、継続して使用することが重要です。
税理士への相談
「会計処理が複雑でよく分からない」「確定申告に不安がある」という場合は、税理士に相談することをおすすめします。
- 専門知識: 税理士は税務に関する専門知識を持っており、あなたの事業に最適な経費計上方法や節税対策をアドバイスしてくれます。
- 時間節約: 煩雑な会計処理を任せることで、あなたは本業である開発業務に集中できます。
- 税務調査対応: 万が一税務調査が入った場合でも、税理士が対応してくれるため安心です。
よくある質問(Q&A)
Amazon SESの経費処理に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1: Amazon SESの利用明細はどこで確認できますか?
A1: AWSマネジメントコンソールにログインし、「請求ダッシュボード」から確認できます。毎月の請求書や利用明細をPDF形式でダウンロードすることが可能です。
Q2: 無料枠を超えた分だけ経費にできますか?
A2: はい、無料枠を超えて実際に料金が発生した分(つまり、請求書に記載された金額)が経費計上の対象となります。無料枠の利用分は費用が発生していないため、経費にはなりません。
Q3: 個人事業主でも法人と同じように経費にできますか?
A3: はい、個人事業主でも法人でも、事業のために利用したAmazon SESの料金は経費として計上できます。会計処理の基本的な考え方は同じですが、確定申告の種類(青色申告、白色申告)や法人税申告書への記載方法が異なります。
まとめ:Amazon SES利用料を正しく経費計上しよう
Amazon SESの利用料は、事業のために使われたものであれば、適切に経費として計上できます。主なポイントは以下の通りです。
- 事業性: 事業に直接関連する費用のみが経費となります。
- 勘定科目: 「通信費」が最も一般的ですが、事業内容に応じて「消耗品費」「広告宣伝費」「開発費」なども選択肢になります。一度決めたら継続使用しましょう。
- 証拠書類: 毎月の利用明細を必ず保管してください。
- 家事按分: プライベートとの併用がある場合は、合理的な割合で按分しましょう。
これらのポイントを押さえることで、安心してAmazon SESを利用し、効率的な事業運営と節税効果の両立を実現できます。不明な点があれば、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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