SESエンジニア必見:待機期間中に「クビ」になるリスクと給与減額の違法性を徹底解説
SESの待機期間に不安を感じるエンジニアへ。待機中の給与減額は違法?クビは簡単にできる?労働基準法に基づき、あなたの権利と市場価値を高めるための具体的な行動を解説します。
キャリアパス診断してみるSESの「待機期間」とは何か?エンジニアが抱える不安の正体
SES(システムエンジニアリングサービス)契約で働くエンジニアにとって、次のプロジェクトが決まるまでの「待機期間」は、最も不安を感じる時期の一つです。「このまま案件が見つからなかったらどうなるのだろう」「給料が減らされたけど、これは違法ではないのか?」といった悩みは尽きません。
本記事では、SESの待機期間に関する法的な知識と、この状況を乗り越え、市場価値を高めるための具体的な行動戦略を解説します。
待機期間が発生する主な理由
SES企業がエンジニアに案件を提供できない待機期間は、主に以下の理由で発生します。
- 市場の需要と供給のミスマッチ: 特定のスキル(例:レガシー技術)に対する需要が低下している、あるいは特定の技術を持つエンジニアが市場に溢れている場合。
- 営業力の不足: 会社の営業担当者が、あなたのスキルや経験にマッチした案件を確保できていない。
- 景気変動: 顧客企業のIT投資が一時的に抑制され、プロジェクトの開始が遅れている。
- スキルシートの質の低さ: あなた自身のスキルや経歴を魅力的に伝えるためのスキルシートの作成が不十分である。
待機期間中の一般的な会社の対応パターン
待機期間中、会社は主に以下のいずれかの対応を取ります。
- 社内業務: 自社製品開発の手伝い、資料作成、採用活動のサポートなど。
- スキルアップ命令: 資格取得のための学習、新しい技術の研修受講。
- 自宅待機: 会社からの指示があるまで、自宅で待機するよう命じられる(最も不安を感じやすいパターン)。
これらの対応のうち、特に「自宅待機」を命じられた際、給与が大きく減額されたり、解雇の可能性をほのめかされたりすることに、多くのエンジニアは深刻な不安を覚えます。
待機期間中の「クビ(解雇)」は簡単に成立するのか?
結論から言えば、SESの待機期間を理由に、会社がエンジニアを一方的に「クビ(解雇)」にすることは、日本の法律上、非常に困難です。労働契約法によって、労働者は強力に守られています。
日本の解雇規制は非常に厳しい(労働契約法)
労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。
つまり、会社が「案件がない」という理由だけで社員を解雇しようとしても、それは「客観的に合理的な理由」として認められにくいのです。
「普通解雇」が認められるための厳格な条件
会社が社員を普通解雇するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 解雇回避努力の実施: 会社が営業努力や配置転換、教育研修など、解雇を避けるためのあらゆる手段を尽くしたか。
- 業務遂行能力の欠如: 待機期間ではなく、エンジニアとしての能力が著しく不足している場合。
- 改善の機会の提供: 会社が具体的な改善指導を行ったにもかかわらず、改善が見られなかった場合。
SES企業の場合、待機期間中に解雇回避努力(積極的な案件獲得営業、スキルアップ研修の実施など)を怠っていると判断されれば、解雇は無効となる可能性が高いです。
待機期間を理由とした「内定取り消し」の違法性
新卒や中途採用で入社が決まった直後に案件がないことを理由に「内定取り消し」を通知されるケースもあります。しかし、内定も事実上の労働契約であり、合理的な理由なしに取り消すことはできません。内定取り消しは、解雇に準ずる厳しい規制を受けるため、単に「案件がない」だけでは違法となる可能性が極めて高いです。
待機中の「給与減額」は違法?休業手当の正しい知識
多くのエンジニアが最も不安に感じるのが、待機期間中の給与減額です。会社の対応が労働基準法に違反していないかを確認しましょう。
待機命令は「会社の都合による休業」と見なされる
SESエンジニアが案件がなく待機している状況は、法律上「会社の責に帰すべき事由による休業」と見なされることが一般的です。なぜなら、案件を確保し、労働の機会を提供するのは会社の義務(営業努力)だからです。
この場合、会社は労働者に対して休業手当を支払う義務があります。
会社が支払うべき「休業手当」の最低基準
労働基準法第26条により、会社都合による休業の場合、会社は労働者に対し、平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければなりません。
- 例: 月給30万円のエンジニアであれば、最低でも月18万円(30万円 × 60%)は保証される必要があります。
もし、あなたの会社が待機期間中に給与を60%未満に減額している、あるいは全く支払っていない場合は、労働基準法違反の可能性が非常に高いです。
待機中の「減額」が合法となるケース(例:待機手当)
ただし、以下の場合は減額が合法となる可能性があります。
- 雇用契約書による規定: 雇用契約書や就業規則に、待機期間中は「待機手当」として基本給の一部のみを支払う旨が明確に規定されており、それが休業手当の最低基準(平均賃金の60%)を上回っている場合。
- 自己都合による休業: 会社が提供した研修や社内業務を、正当な理由なくあなたが拒否し、それによって業務が遂行できないと判断される場合。
契約内容を確認し、基本給から一律に減額されている場合は、会社都合の休業として休業手当を請求できる権利があります。
不当な対応を受けた場合の具体的な対処法
もし会社から不当な解雇をほのめかされたり、違法な給与減額をされたりした場合は、以下の手順で対処することが重要です。
証拠の記録と労働基準監督署への相談
まず、不当な対応があったことを証明するための証拠を徹底的に集めましょう。
- 記録すべき証拠: 待機命令のメール、減額後の給与明細、解雇をほのめかす会話の録音(可能であれば)、雇用契約書、就業規則。
- 相談先: 労働基準監督署(労基署)に相談に行くことで、会社への指導や是正勧告を行ってもらうことができます。労基署は労働者の権利を守るための公的機関です。
転職活動を開始し、市場価値を再確認する
法的な対応と並行して、自身のキャリアを守るための行動も重要です。待機期間が長引く企業は、営業体制や経営状況に問題を抱えている可能性があります。
この機会に、自分のスキルが市場でどれくらいの価値があるのかを再確認するために、転職活動を始めるのが最善策です。他の企業の求人や年収水準を知ることで、現在の会社が不当な対応をしているのか、あるいは自身のスキルアップの方向性が正しいのかを客観的に判断できます。
待機期間をチャンスに変える!市場価値を高める行動戦略
待機期間は、ネガティブな時間ではありません。むしろ、普段忙しくて手が回らないスキルアップに集中できる、貴重な時間と捉えましょう。
SESエンジニアが待機期間中に市場価値を高めるために取り組むべき行動は以下の通りです。
待機中に取り組むべき具体的なスキルアップ
1. クラウド技術の習得(AWS, Azure, GCP)
現代のITプロジェクトのほとんどがクラウド環境を前提としています。特にAWSやAzureの基礎知識と実務経験は、案件獲得率を劇的に向上させます。
2. ポートフォリオ作成とGitHubの充実
企業は口頭のスキル説明よりも、実際に動く成果物やコードを重視します。個人開発でアプリケーションを作り、GitHubで公開することで、次の案件探しや転職活動で強力な武器になります。
3. ドキュメント作成能力の強化
案件が取れない理由の一つに、スキルシートや職務経歴書の魅力不足があります。顧客や採用担当者が「この人に任せたい」と思える、分かりやすく論理的なドキュメント作成能力を磨きましょう。
ポートフォリオ作成や資格取得の重要性
待機期間中に取得した資格(例:基本情報技術者、AWS認定資格など)や作成したポートフォリオは、あなたの「市場価値」を証明する具体的なE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の裏付けとなります。
これらの具体的な実績があれば、万が一会社から不当な解雇を迫られたとしても、すぐに次の安定した職場を見つけることが可能です。
まとめ:不安を知識と行動力で打ち破る
SESの待機期間は、エンジニアにとって不安な時期ですが、「案件がないからクビ」は法的に容易には成立しません。また、給与が平均賃金の60%を下回る減額は違法である可能性が高いです。
あなたの権利を正しく理解し、会社に対して毅然とした態度で臨むとともに、この時間を自己投資に充てることが、不安を解消し、より良いキャリアを築くための最善の道です。
待機期間の不安を解消し、理想のキャリアを実現するために
現在の会社での待機が長期化し、このままSESとして働き続けることに疑問を感じ始めたら、それはキャリアを見直す絶好の機会です。
「自分の市場価値が正しく評価されていないのではないか」「もっと安定した環境で働きたい」
もしあなたがそう感じているなら、IT業界に特化した転職のプロであるエージェントに相談してみることを強くおすすめします。
エージェントは、あなたのスキルを客観的に評価し、待機リスクの低い優良な自社開発企業や、より高い報酬が得られる企業を紹介してくれます。あなたのスキルを最大限に活かせる企業と出会うために、まずは無料のキャリア相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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