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経験が浅いエンジニアでも採用担当に響く!「書くことがない」を強みに変える職務経歴書の書き方

経験が浅いエンジニア向けの職務経歴書の書き方ガイド。実績がなくても大丈夫。自己学習やGitHub、問題解決能力を武器にする方法を具体的に解説します。「書くことがない」という悩みを解決し、書類選考を突破しましょう。

「そろそろ転職を考えたいけど、職務経歴書に書けるような実績がない…」
「実務経験はまだ1〜2年。他のエンジニアと比べてアピールできることが何もない…」

初めての転職を考える経験の浅いエンジニアにとって、職務経歴書の作成は大きな壁に感じられますよね。その気持ち、非常によく分かります。

しかし、安心してください。「書くことがない」と感じているのは、あなただけではありません。そして、経験が浅いからといって、魅力的な職務経歴書が作れないわけでは決してないのです。

この記事では、経験の浅いエンジニアが自身の強みを見つけ、採用担当者の心に響く職務経歴書を作成するための具体的な「書き方」と「考え方」を、例文を交えながら徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、「書くことがない」という不安が「これを伝えたい!」という自信に変わっているはずです。

なぜ経験が浅いエンジニアは「職務経歴書に書くことがない」と感じてしまうのか?

多くの若手エンジニアが同じ悩みを抱えています。その背景には、いくつかの共通した理由があります。

華々しい実績や大規模プロジェクトの経験がない

SNSなどで見かける「〇〇をリリースしました!」「大規模サービスの開発リーダーを任されました!」といった華々しい経歴と自分を比べ、「自分には語れるような実績がない」と感じてしまうケースです。

日々の業務がルーティンワークに感じられる

任される業務が、既存システムの保守や軽微な改修、テストなどが中心で、「これは自分のスキルとしてアピールできるのだろうか?」と疑問に感じてしまうことも少なくありません。

他の優秀なエンジニアと自分を比べてしまう

同期や先輩など、周りの優秀なエンジニアと自分を比較し、「自分はまだまだだ」と自信を失ってしまうことも、「書くことがない」と感じる一因です。

しかし、これらの悩みは視点を変えるだけで、強力なアピールポイントに変わる可能性があります。その鍵は、「採用担当者がどこを見ているか」を理解することにあります。

採用担当者は「経験の浅さ」をどう見ている?ポテンシャル採用の視点

経験豊富なエンジニアを採用する「即戦力採用」とは別に、企業は若手エンジニアに対して「ポテンシャル採用」という視点を持っています。彼らは完成されたスキルだけでなく、将来の「伸びしろ」に期待しているのです。

採用担当者が経験が浅いエンジニアの職務経歴書で見ているのは、主に以下の3点です。

完成されたスキルよりも「学習意欲」と「伸びしろ」

現時点でのスキルセット以上に、「新しい技術を自ら学ぶ姿勢があるか」「困難な課題に対して粘り強く取り組めるか」といった学習意欲を重視します。

技術への探究心やキャッチアップ能力

変化の速いIT業界では、常に新しい技術を学び続ける姿勢が不可欠です。業務外での学習や個人開発などは、技術への純粋な興味と探究心の証明になります。

論理的思考力と問題解決への姿勢

たとえ小さな業務であっても、「なぜこの問題が起きたのか?」「どうすればもっと効率化できるか?」と考え、行動した経験は、あなたの問題解決能力を示す重要なエピソードになります。

つまり、華々しい実績がなくても、これらの「ポテンシャル」を職務経歴書で示すことができれば、十分に採用担当者の目に留まるのです。

【実践編】経験が浅くても大丈夫!職務経歴書を魅力的にする5つのアピール術

ここからは、あなたの経験を「ポテンシャル」としてアピールするための具体的な方法を5つご紹介します。

1.「業務経験」は規模でなく「役割と工夫」で語る

プロジェクトの規模が小さくても問題ありません。重要なのは、その中で「あなたがどのような役割を果たし、どんな工夫をしたか」です。

【Before】

ECサイトの軽微なバグ修正を担当。

【After】

担当業務: ECサイトの顧客情報ページのバグ修正
役割と工夫:
担当箇所のソースコードを読み解き、原因となっていた〇〇の処理を特定。修正にあたり、再発防止策として△△というロジックを提案・実装しました。この修正により、同様の問い合わせ件数を月5件から0件に削減できました。

ポイント:

  • 具体的に書く: 何をしたのかが明確に伝わるように記述する。
  • 主体性を見せる: 指示されただけでなく、自ら考えて行動したことを加える。
  • 結果を示す: 行動によってどんな良い変化があったかを書く。

2.「自己学習」を具体的に示し、学習意欲をアピールする

業務外での学習は、あなたの学習意欲と技術への情熱をアピールする絶好の機会です。

【書き方の例】

  • 学習中の技術:
    • Go言語:パフォーマンス向上のため学習中。現在は[学習教材名]を使って基礎を学び、簡単なAPIサーバーを構築しました。
    • AWS:実務での利用経験はないものの、個人開発でEC2, S3を利用。将来的には〇〇の資格取得を目指しています。
  • 読んだ技術書:
    • 『リーダブルコード』:コードの可読性を意識するきっかけとなり、実務でも変数名やコメントの付け方を常に工夫するようになりました。

3.「GitHub」を第二の職務経歴書として活用する

エンジニアにとって、GitHubはあなたのスキルを証明する強力なツールです。個人開発のコードや、学習過程で書いたコードを公開し、職務経歴書にURLを記載しましょう。

採用担当者はここを見る!

  • コードの綺麗さ: 可読性、命名規則など
  • コミットログの丁寧さ: 変更内容が分かりやすく書かれているか
  • 継続性: コツコツと学習を続けている姿勢

完璧なコードである必要はありません。あなたの学習の足跡そのものが、アピールになるのです。

4.「ビフォーアフター」で貢献を語る

「売上〇%アップ」のような華々しい数字がなくても、あなたの貢献を示すことは可能です。

【書き方の例】

  • 業務効率化: 手動で行っていた〇〇の作業を、簡単なPythonスクリプトを作成して自動化。(Before) これまで1時間かかっていた作業を (After) 5分に短縮しました。
  • 品質改善: テストコードを追加で実装し、カバレッジを (Before) 60%から (After) 80%に向上させ、デプロイ後の軽微なバグを削減しました。

5.「自己PR」では技術への情熱と将来性を伝える

自己PRは、あなたの「想い」を伝える場所です。なぜエンジニアになったのか、これからどんなエンジニアになりたいのかを、自身の言葉で語りましょう。

【自己PRの構成例】

  1. 強み(結論): 私の強みは、粘り強く問題の原因を特定し、解決に導く力です。
  2. 具体的なエピソード: 現職で〇〇という問題が発生した際、…(具体的な行動)…という工夫をすることで解決しました。
  3. 入社後の貢献意欲: この経験で培った問題解決能力を活かし、貴社の〇〇という事業の成長に貢献したいと考えています。
  4. 将来のビジョン: 将来的には、〇〇の分野で専門性を高め、チームをリードできるエンジニアになることを目指しています。

項目別・職務経歴書の書き方と例文【経験が浅いエンジニアの例】

これまでのポイントを踏まえ、各項目の書き方と例文を見ていきましょう。

職務要約

約2年間、株式会社〇〇にてWebアプリケーションエンジニアとして、自社ECサイトの開発・運用に携わってまいりました。主にPHP(Laravel)を用いたサーバーサイド開発を担当し、軽微な機能追加やバグ修正を通じて、コードの可読性や保守性を意識した開発の重要性を学びました。現在は、バックエンドの知見を深めるためGo言語を自主的に学習しております。

スキル(活かせる経験・知識)

■言語
PHP (実務経験2年), JavaScript (実務経験1年), Go (自己学習)

■フレームワーク・ライブラリ
Laravel (実務経験2年), jQuery (実務経験1年)

■データベース
MySQL (実務経験2年)

■インフラ・ミドルウェア
Linux, Apache, Docker(自己学習), AWS(EC2, S3を自己学習で使用)

■ツール
Git, GitHub, JIRA

■GitHubアカウント
https://github.com/your-account

職務経歴

株式会社〇〇(2022年4月~現在)
事業内容:ECサイトの開発・運営
資本金:〇〇円 / 売上高:〇〇円 / 従業員数:〇〇名

【所属部署】 開発部(5名)
【担当業務】
自社ECサイト「〇〇」のサーバーサイド開発・運用・保守

【担当プロジェクト例】
・〇〇機能の改修(2023年5月~6月)
 - 役割:開発担当(2名チーム)
 - 概要:〇〇の仕様変更に伴う、既存機能の改修
 - 工夫した点:修正箇所を最小限に抑えるため、〇〇という設計を提案し採用されました。これにより、開発工数を当初の想定より2日短縮できました。
 - 使用技術:PHP(Laravel), MySQL, Git

自己PR

(前述の「5.『自己PR』では技術への情熱と将来性を伝える」の例文を参照)

これはNG!経験が浅いエンジニアがやりがちな職務経歴書の注意点

最後に、避けるべき注意点も確認しておきましょう。

テンプレートの丸写しで終わる

Web上のテンプレートをそのまま使うだけでは、あなたの個性や熱意は伝わりません。必ず自分の言葉で、自分の経験を語ることを意識してください。

事実の羅列だけで「自分の考え」がない

「〇〇をしました」という事実の羅列だけでは、あなたがその業務から何を学び、どう考えたのかが伝わりません。必ず「なぜそうしたのか」「どんな工夫をしたのか」という思考プロセスを添えましょう。

嘘や誇張を書いてしまう

自分を良く見せたい気持ちは分かりますが、嘘は面接で必ず見抜かれます。できないことを「できる」と書くのではなく、できないことは「現在学習中です」と正直に書き、学習意欲をアピールしましょう。

まとめ:「書くことがない」から「伝えたいことがある」へ

今回は、経験の浅いエンジニアが「書くことがない」という悩みを乗り越え、魅力的な職務経歴書を作成するための方法を解説しました。

重要なポイントの振り返り

  • 採用担当者は「実績」だけでなく「ポテンシャル」を見ている。
  • 業務経験は「規模」ではなく「役割と工夫」で語る。
  • 「自己学習」や「GitHub」で学習意欲と技術への情熱を示す。
  • 数字がなくても「ビフォーアフター」で貢献をアピールする。
  • 自分の言葉で「思考プロセス」と「想い」を伝える。

職務経歴書は、単なる経歴の記録ではありません。あなたがこれまで何を学び、どう考え、これからどうなりたいのかを伝えるための「未来へのプレゼンテーション資料」です。

「書くことがない」のではなく、伝え方を知らなかっただけ。この記事を参考に、ぜひあなたの強みやポテンシャルが詰まった、あなただけの職務経歴書を作成してください。あなたの新しい挑戦を応援しています。

応エン