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【エンジニア必見】SESで「中抜きされすぎ」と嘆く前に知るべき構造と適正な報酬を得るための全戦略

SESエンジニアが抱える「中抜きされすぎ」問題の構造を徹底解説。あなたの単価と給与の差はなぜ生まれるのか?適正なマージン率の相場、優良企業の見分け方、報酬を最大化する具体的な交渉術とキャリア戦略を紹介します。

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はじめに:なぜあなたは「中抜きされすぎ」と感じるのか?

「客先での単価は○○万円だと聞いたのに、自分の手取りはたったこれだけ…」「どう考えても中抜きされすぎではないか?」

もしあなたがSES(システムエンジニアリングサービス)として働くエンジニアであれば、一度はこのような疑問や不満を抱いたことがあるかもしれません。特に経験を積み、スキルが向上しているにもかかわらず、給与が伸び悩んでいる場合、この「中抜き」問題は深刻なモチベーション低下につながります。

しかし、感情論だけで終わらせるのはもったいないことです。適正な報酬を得るためには、まずSESにおけるお金の流れの構造を冷静に理解し、その上で具体的な行動戦略を立てる必要があります。

この記事では、SESの「中抜き」の正体を徹底的に解剖し、あなたが適正な評価と報酬を得るための具体的な3つの対策を解説します。これを読めば、現状の不満を解消し、次のキャリアステップへ踏み出すための明確な道筋が見えるはずです。

SESの「中抜き」構造を徹底解剖する

SES契約における「中抜き」とは、客先から支払われる「単価」と、実際にエンジニアに支払われる「給与」の差額、すなわちマージン(利益)を指します。このマージンが「されすぎ」と感じるのはなぜでしょうか。

SESビジネスモデルの基本原理

SES企業は、エンジニアのスキルを顧客企業(客先)に提供し、その労働時間に対して対価(単価)を受け取るビジネスです。この単価から、エンジニアへの給与、社会保険料、福利厚生費、教育費、そして会社の利益(営業利益)などを差し引いたものが、一般に「中抜き」されている部分、つまりマージン率となります。

「中抜き」の正体は何か?マージン率の構成要素

マージン率が高いからといって、すべてが会社の「搾取」であるとは限りません。マージンには、以下のようなコストが含まれています。

  1. 法定福利費・社会保険料(約15%): 会社が負担する健康保険、厚生年金、雇用保険など。これは法律で定められた必須コストです。
  2. 間接費用(約5%~10%): 営業担当者の人件費、オフィス家賃、管理部門の費用、採用コストなど、エンジニアの業務に直接関わらないが会社運営に必要なコスト。
  3. 教育研修費・福利厚生費(変動あり): 資格取得支援やスキルアップのための投資。
  4. 会社の利益(営業利益): 会社が事業を継続・拡大するために必要な純粋な利益。

これらを総合すると、一般的なSES企業が健全に運営されるための適正なマージン率は25%~35%程度と言われています。つまり、客先単価の65%〜75%があなたの給与や待遇に還元されるのが理想的な状態です。

あなたの給与が低い最大の原因:「多重下請け構造」

あなたが「中抜きされすぎ」と感じる最大の原因は、SES業界特有の多重下請け構造(商流の深さ)にあります。

  • 元請け(SIer): 顧客から直接案件を受注し、最も高い単価を得る。
  • 一次請け(大手SES): 元請けから案件を受注し、マージンを抜く。
  • 二次請け(中小SES): 一次請けから案件を受注し、さらにマージンを抜く。
  • 三次請け以下のSES: 実際にエンジニアを派遣する企業。単価は大幅に目減りしている。

商流が深くなる(間に会社が多く入る)ほど、あなたの客先単価は段階的に削られていき、最終的にあなたの所属する会社が受け取る単価は非常に低くなります。会社が健全なマージン率(例:30%)を維持したとしても、そもそも受け取った単価が低ければ、あなたの給与は相対的に低くなってしまうのです。

適正なマージン率の相場はどれくらいか?

前述の通り、事業運営に必要なコストを考慮すると、マージン率が30%前後であれば、比較的健全な企業運営がなされていると判断できます。

しかし、中にはマージン率が40%~50%を超える企業も存在します。この場合、多重下請けによる低単価案件が多いか、あるいは利益率を極端に高めているかのどちらかです。

エンジニアとして目指すべきは、「還元率(単価に対する給与の割合)が65%以上」の企業です。還元率70%を超えていれば、非常に優良な企業と判断できます。

【対策1】不当な「中抜き」を防ぐための企業選びの基準

現状の報酬に不満があるなら、中抜きが少ない優良なSES企業へ転職することが最も確実な対策の一つです。以下の3つのチェックポイントで、企業の透明性と還元率を見極めましょう。

マージン率(バックエンド率)を公開しているか確認する

優良なSES企業は、エンジニアの信頼を得るために、自身の報酬制度をオープンにしています。特に「単価連動型」の給与体系を採用している企業は、中抜きが少ない傾向にあります。

  • チェックポイント: 「客先単価の〇〇%を給与として還元します」と明確に謳っているか。
  • 確認方法: 企業の採用ページや面接時に、具体的な還元率のモデルケースを質問する。

契約形態と商流の透明性が高いか

「中抜きされすぎ」の元凶である多重下請けを避けるためには、商流の浅い企業を選ぶべきです。

  • チェックポイント: 案件の9割以上が一次請け(直請け)であるか。
  • 確認方法: 過去の案件実績や、入社後の案件参画前の面談で、「この案件は商流の何番目ですか?」と直接質問し、曖昧な回答をしないか確認する。

自社開発や受託案件の比率が高いか

SES一本の企業は、景気の変動や客先の都合に左右されやすく、安定した高単価を維持しにくい場合があります。一方、自社開発や受託開発など、収益源を分散している企業は、エンジニアへの還元を安定させやすい傾向があります。

  • メリット: 会社全体の利益率が高く、福利厚生や教育投資に回せる資金が豊富になる。
  • 注意点: 自社開発部門がある場合、SES部門との給与体系の差がないかも確認しておきましょう。

【対策2】単価と給与を最大化するための交渉術

中抜き構造を理解し、優良企業に転職する以外にも、現在の会社で報酬を上げるための交渉は可能です。交渉を成功させる鍵は、「感情」ではなく「データ」に基づいた市場価値の提示です。

自分の市場価値(客先単価)を知る具体的な方法

交渉のスタートラインは、あなたの客先単価を知ることです。日本のSES企業では単価を非公開とするケースが多いですが、以下の方法で推測できます。

  1. 転職エージェントの活用: 自分のスキルセットや経験年数を伝え、同等のエンジニアが現在どのような単価で市場に出ているか(相場)を調査してもらう。
  2. 案件情報の確認: 自分の担当案件と似た技術スタック、フェーズの案件が、フリーランス向けサイトでいくらで募集されているかを確認する。
  3. 面談時のヒアリング: 客先の担当者や、同じ現場にいる他のSESエンジニアとの情報交換を通じて、単価のレンジを把握する。

単価交渉を成功させるための具体的なデータとタイミング

昇給・昇格の交渉時には、以下の3点をデータとして提示しましょう。

提示すべきデータ

具体的な内容

目的

貢献度

炎上案件の鎮火、属人化解消、客先からの高い評価(具体的なフィードバック)

会社にとっての価値を定量的に示す

スキルアップ

新しい資格取得、難易度の高い技術の習得(例: AWS/GCP認定)、リーダー経験

将来的な単価アップの可能性を示す

市場価値

競合他社やフリーランスの相場(データ1で調査した内容)

現在の給与が市場水準よりも低いことを客観的に示す

交渉のタイミングは、客先との契約更新前客先からの評価フィードバックがあった直後が最も効果的です。客先単価がアップしたという事実があれば、会社も給与アップを検討せざるを得ません。

交渉時に「福利厚生費」や「教育費」を切り崩す考え方

会社がマージンを減らしたがらない場合、「給与」以外の部分で還元を求める交渉も有効です。

  • 「給与アップが難しいなら、資格取得費用を全額会社負担にしてほしい」
  • 「リモートワーク手当や、最新の機材購入費用を出してほしい」

これらの要求は、会社側にとっては「福利厚生費」として処理しやすく、結果的にあなたの可処分所得を増やすことにつながります。

【対策3】SESからの脱却:キャリアを飛躍させる選択肢

中抜き問題から完全に解放され、自身のスキルに100%見合った報酬を得たいなら、SESという働き方そのものから脱却を検討すべきです。

自社開発企業への転職

自社サービス開発企業は、客先単価という概念がなく、サービスの売上や利益から直接給与が支払われます。給与水準はスキルと貢献度に直結するため、市場価値の高いエンジニアであれば、SES時代よりも大幅な年収アップが見込めます。

  • メリット: 安定性、事業への貢献実感、自社サービスへの愛着。
  • 課題: 求められるスキルレベルが高く、選考が厳しい傾向にある。

高単価案件を獲得できるフリーランスエンジニアへの転向

中抜き構造をゼロにする究極の選択肢がフリーランスです。客先単価がそのまま売上となるため、マージンは発生しません(ただし、エージェント利用料や税金、保険などは自己負担)。

  • メリット: 報酬の最大化、働く場所や時間の自由度が高い。
  • 課題: 案件獲得、税務処理、健康保険、労働の安定性など、すべて自己責任となる。最低でも5年以上の実務経験と高い専門性が求められる。

あなたの現在のスキルセット、キャリア志向、リスク許容度に応じて、最適な脱却ルートを検討しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q: 自分の単価を会社に聞いてもいいですか?

A: はい、聞く権利はあります。ただし、多くのSES企業は単価を公開しない方針をとっているため、「契約上の守秘義務」を理由に開示を拒否される可能性が高いです。しかし、優良企業であれば、給与テーブルの説明の中で「目安」を教えてくれることがあります。もし拒否された場合は、その企業が透明性に欠けている可能性があると判断できます。

Q: SESのマージン率が50%を超えるのは違法ですか?

A: 違法ではありません。マージン率に関する法的な規制はありません。しかし、マージン率が50%を超える場合、エンジニアへの還元が極端に低いか、多重下請けの最終層にいる可能性が高いです。法的に問題なくても、エンジニアにとっては「搾取」と感じられる状況であるため、転職を強く推奨します。

Q: マージン率が低い企業はブラック企業ですか?

A: 必ずしもそうとは限りません。マージン率が低い(還元率が高い)企業は、エンジニアのモチベーション維持を重視している優良企業である可能性が高いです。ただし、極端に還元率が高い(例:85%以上)場合、法定福利費や教育費、営業コストを適切に計上できていない、または将来的な事業継続性に不安があるケースも稀に存在するため、給与以外の福利厚生や教育制度が充実しているかを確認しましょう。

まとめ:行動に移すことが、報酬アップの第一歩

SESで「中抜きされすぎ」と感じるのは、決してあなたの錯覚ではありません。多重下請け構造や企業の利益追求の結果、適正な報酬を得られていないエンジニアは多く存在します。

しかし、構造を理解し、「優良企業への転職」「データに基づいた交渉」「SESからの脱却」という具体的な戦略を実行することで、あなたの報酬とキャリアを大きく改善できます。

不満を抱え続けるのではなく、今日から情報収集と行動を開始しましょう。あなたのスキルは、必ず適正に評価される場所があります。

あなたの市場価値を知り、次のキャリアを考える

「自分のスキルが本当はいくらの単価で取引されているのだろう?」「今の会社で交渉すべきか、それとも転職すべきか?」

もし一人でキャリア戦略を立てることに迷いや不安を感じているなら、エンジニア特化のキャリア相談サービスや転職エージェントに相談するのが最も効率的です。

プロのキャリアアドバイザーは、あなたのスキルセットを客観的に評価し、現在の市場における適正な単価や、中抜きが少ない優良な自社開発企業・高還元SES企業を見抜くノウハウを持っています。

あなたの市場価値を正しく評価してくれる企業と出会うために、まずは無料のキャリア相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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