SIMPLE

SESの単価相場はいくら?経験年数・言語別に解説!エンジニアが年収を上げる交渉術も公開

「自分のSES単価、もしかして低い?」と感じるエンジニア必見。経験年数・言語別の最新単価相場を一覧で解説します。マージン率の計算方法から、明日から使える単価交渉の具体的なコツ、年収アップを実現するキャリア戦略まで網羅。あなたの市場価値を最大化する方法がわかります。

キャリアパス診断してみる

「自分の単価、他のエンジニアと比べてどうなんだろう…」
「今の単価は適正?もっと評価されてもいいはずなのに…」

SES(システムエンジニアリングサービス)で働くエンジニアの多くが、一度はこのような疑問や悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

会社から提示される単価が自分の市場価値に見合っているのか分からず、モヤモヤした気持ちで業務に取り組んでいる方も少なくないはずです。

この記事では、そんなあなたのために、SESエンジニアの単価相場を経験年数や言語・スキル別に徹底解説します。さらに、単価が低い原因の分析方法から、明日から実践できる具体的な単価交渉術、そして年収を最大化するためのキャリア戦略まで、網羅的にご紹介します。

この記事を読めば、あなたは自身の市場価値を正しく把握し、自信を持って次のアクションを起こせるようになります。

そもそもSESの単価とは?給与との違いと仕組みを解説

単価交渉の話をする前に、まずは「単価」が何を指すのか、そしてなぜそれが自分の給与とイコールにならないのか、SESの基本的な仕組みを理解しておきましょう。

SES契約における「単価」の正体

SESにおける「単価」とは、クライアント企業(客先)が、あなたの労働力に対して、あなたの所属会社(SES企業)に支払う月々のお金のことです。一般的に「人月単価」と呼ばれ、「エンジニア1人が1ヶ月稼働すると〇〇万円」という形で契約が結ばれます。

例えば、あなたの単価が80万円であれば、クライアントはあなたの所属会社に毎月80万円を支払っている、ということになります。

なぜ単価と給与に差が生まれる?マージン(手数料)の仕組み

クライアントが支払う単価の全額が、あなたの給与になるわけではありません。所属会社は、この単価からマージン(手数料)を差し引いた額を、あなたの給与として支払います。

このマージンには、会社の利益の他に、以下のような費用が含まれています。

  • 社会保険料: 健康保険、厚生年金などの会社負担分
  • 諸経費: オフィスの家賃、光熱費、営業担当者の人件費、交通費など
  • 待機期間中の給与保証: 案件がない期間でも給与を支払うための費用

このマージンの割合は会社によって大きく異なり、一般的に20%〜40%程度が相場と言われています。

あなたの単価は適正?還元率の目安

還元率とは、クライアントからの単価のうち、どれくらいの割合がエンジニア本人に支払われているかを示す指標です。

計算式: 還元率(%) = (年収 ÷ 12) ÷ 月額単価 × 100

例えば、単価80万円で年収が600万円(月収50万円)の場合、還元率は「(600 ÷ 12) ÷ 80 × 100 = 62.5%」となります。

優良なSES企業では還元率70%以上を謳っているところも増えてきています。もし自分の還元率が60%を下回るようであれば、会社の取り分が多すぎる(=あなたの評価が不当に低い)可能性があります。

【一覧表】SESエンジニアの単価相場を徹底解剖

それでは、気になる単価の相場を具体的に見ていきましょう。ここでは「経験年数」「言語・スキル」「職種」の3つの切り口で解説します。

※あくまで目安であり、案件内容や商流の深さによって変動します。

経験年数別の単価相場

経験年数

単価相場の目安(月額)

主な役割・スキルレベル

〜1年(若手)

40万円 〜 55万円

指示のもと基本的なプログラミング、テストを担当できるレベル

2〜3年(中堅)

55万円 〜 70万円

自走して機能開発が可能。後輩の簡単な指導もできるレベル

4〜5年(ベテラン)

65万円 〜 85万円

小規模なチームのリーダーや要件定義など上流工程も担当できる

6年以上(エキスパート)

80万円 〜 100万円以上

プロジェクトマネジメントや技術選定、アーキテクチャ設計が可能

プログラミング言語・スキル別の単価相場

需要の高いモダンな技術や、扱えるエンジニアが少ない言語は単価が高くなる傾向にあります。

言語・スキル

単価相場の目安(月額)

特徴

Java, PHP, C#

60万円 〜 80万円

案件数が多く安定しているが、単価は平均的

Python, Go, TypeScript

70万円 〜 95万円

AI、Web系で需要が高く、高単価を狙いやすい

Swift, Kotlin

70万円 〜 90万円

スマホアプリ開発で需要。専門性が高い

AWS, GCP, Azure

75万円 〜 100万円以上

クラウドインフラの設計・構築スキルは非常に需要が高い

職種・担当工程別の単価相場

下流工程よりも、上流工程を担当できるエンジニアの方が単価は高くなります。

職種・担当工程

単価相場の目安(月額)

プログラマー・テスター

50万円 〜 70万円

システムエンジニア(SE)

60万円 〜 85万円

プロジェクトリーダー(PL)

75万円 〜 95万円

プロジェクトマネージャー(PM)

80万円 〜 120万円以上

ITコンサルタント

90万円 〜 150万円以上

SESで「単価が低い」と感じるエンジニアが確認すべき3つのこと

相場と比べて自分の単価が低いと感じた場合、その原因を正しく突き止めることが重要です。確認すべきポイントは主に3つあります。

①契約内容と商流の深さ

SES業界には、クライアントと自社の間に複数の仲介会社が入る「多重下請け構造(商流)」が存在します。商流が深くなる(間に多くの会社が入る)ほど、中間マージンが抜かれ、末端のエンジニアの単価は低くなります。

自社の営業担当に、クライアントとの契約が直接契約(プライム案件)なのか、間に何社入っているのかをさりげなく確認してみましょう。

②会社の還元率は適正か

前述の通り、還元率が低すぎる場合は、会社の方針としてエンジニアへの配分が少ない可能性があります。単価が上がっても給与に反映されにくい構造になっているかもしれません。

会社の給与テーブルや評価制度を確認し、単価と給与の連動性について確認することが大切です。

③自身のスキルと市場価値のギャップ

厳しい現実ですが、自身のスキルが市場の需要と合っていない、あるいは経験年数に見合ったスキルが身についていない可能性も考えられます。

  • 古い技術しか扱えない
  • 上流工程の経験がない
  • 自己学習やアウトプット(GitHub, Qiitaなど)の経験がない

上記に心当たりがある場合は、まずスキルアップに取り組む必要があります。

今すぐできる!SESエンジニアが単価を上げるための具体的な方法5選

原因を分析したら、次はいよいよ単価を上げるための具体的なアクションに移りましょう。

1. 自身のスキルセットを棚卸し・可視化する

まずは自分の武器を整理しましょう。これまで経験したプロジェクト、担当工程、使用した技術(言語、FW、DB、クラウドなど)を職務経歴書に書き出します。定量的な成果(例:〇〇機能の開発で処理速度を△△%改善)も盛り込めると、客観的なアピール材料になります。

2. 交渉材料を揃えて単価交渉に臨む

可視化したスキルセットや実績、そしてこの記事で紹介したような客観的な単価相場のデータを基に、所属会社の営業担当に単価交渉を持ちかけます。感情的に「上げてほしい」と訴えるのではなく、ロジカルに「自分の市場価値は〇〇円のはずだ」と主張することが重要です。

3. より上流工程の経験を積む

現在の現場で可能であれば、要件定義や設計といった上流工程の業務に積極的に関わらせてもらいましょう。それが難しい場合は、次の案件を探してもらう際に「上流工程に携われる案件」を希望として明確に伝えることが大切です。

4. 需要の高いスキルや資格を習得する

クラウド(AWS, Azure)、AI・機械学習(Python)、モダンなWeb技術(TypeScript, Go)など、市場で需要の高いスキルを学習しましょう。AWS認定資格などの専門資格を取得することも、客観的なスキルの証明となり、単価アップに直結しやすいです。

5. 還元率の高い優良SES企業へ転職する

もし、今の会社で単価交渉に応じてもらえない、あるいは会社の還元率そのものが低いといった構造的な問題を抱えている場合は、転職が最も手っ取り早く、かつ効果的な解決策になることがあります。

還元率70%以上を保証している企業や、商流の浅いプライム案件を多く抱える企業へ移るだけで、同じスキルでも年収が100万円以上アップするケースは珍しくありません。

【例文あり】失敗しないための単価交渉の進め方

単価交渉は準備が9割です。以下のステップに沿って、戦略的に進めましょう。

ステップ1:準備(実績の整理・希望単価の設定)

  • 実績の整理: 職務経歴書を最新の状態に更新し、客観的な成果をまとめておく。
  • 市場価値の調査: この記事や転職サイトなどを参考に、自分のスキルセットに見合う単価相場を把握する。
  • 希望単価の設定: 調査結果に基づき、具体的な希望単価(例:現状65万円→希望75万円)とその根拠を明確にする。

ステップ2:交渉のタイミングを見極める

単価交渉に最適なタイミングは、主に以下の通りです。

  • 契約更新の1〜2ヶ月前: 最も交渉しやすいタイミングです。
  • プロジェクトで大きな成果を出した直後: あなたの貢献度が明確なため、話を進めやすいです。
  • 会社の評価面談の時期: 自身の評価と合わせて単価の話を切り出しやすいです。

ステップ3:具体的な伝え方と交渉トーク例

営業担当との面談では、冷静かつ論理的に話を進めることが成功のカギです。

【交渉トーク例】

「いつもお世話になっております。〇〇(次の契約更新)の件でご相談があり、お時間をいただきました。

現在のプロジェクトで、〇〇という課題に対して△△という技術を用いて解決し、□□という成果を出すことができました。(←具体的な実績を提示

また、自己学習でAWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトの資格も取得しました。(←スキルアップをアピール

これらの経験や市場の動向を鑑みますと、現在の単価は私の市場価値と少し乖離があるように感じております。つきましては、次回の契約更新のタイミングで、単価を〇〇万円に見直していただくことは可能でしょうか?(←希望単価と根拠を提示)」

よくある質問(Q&A)

最後に、SESエンジニアの単価に関するよくある質問にお答えします。

Q. フリーランスになった場合の単価相場は?

A. フリーランスの場合、SES企業に支払うマージンがなくなるため、単価は高くなる傾向にあります。一般的に、正社員時代の年収の1.5倍〜2倍程度の単価が目安と言われますが、営業活動や経理処理を自分で行う必要があります。SESでの経験を活かし、高単価のフリーランスとして独立するエンジニアは多いです。

Q. 未経験からSESエンジニアになった場合の単価はどれくらい?

A. 未経験の場合、最初の単価は35万円〜45万円程度からスタートすることが多いです。まずは実務経験を1〜2年積むことが最優先となり、経験を積むことで単価は着実に上がっていきます。

Q. 地方と都心で単価に差はありますか?

A. はい、あります。一般的に、案件数が多く競争も激しい首都圏(特に東京)の単価が最も高く、地方に行くにつれて単価は下がる傾向にあります。ただし、近年はリモートワークの普及により、地方在住でも首都圏の高単価案件に参画できるケースが増えています。

まとめ:自分の価値を知り、行動することが未来を変える

本記事では、SESエンジニアの単価相場から、単価を上げるための具体的な方法まで詳しく解説しました。

  • SESの単価は、クライアントが所属会社に支払う月額報酬のこと
  • 単価からマージンが引かれたものが給与になるため、還元率が重要
  • 単価相場は経験年数、スキル、担当工程によって決まる
  • 単価を上げるには、スキルアップと戦略的な交渉が不可欠
  • 状況によっては、還元率の高い優良企業への転職が最善の選択肢になる

最も大切なのは、自分の市場価値を正しく理解し、現状に満足せずに行動を起こすことです。この記事を参考に、まずはご自身のスキルを棚卸しすることから始めてみてください。あなたのエンジニアとしての価値を最大化するための第一歩が、そこから始まります。

職務経歴書の添削やキャリア相談はプロに任せるのも一つの手

「一通り書いてみたけど、本当にこれで良いか客観的な意見が欲しい…」
「自分の市場価値が分からず、どんな企業に応募すれば良いか迷っている…」

もし一人で悩んでいるなら、転職のプロであるエージェントに相談するのも非常に有効な手段です。特にこの業界に特化したエージェントは、採用担当者の視点を熟知しており、あなたの職務経歴書をより魅力的にするための具体的なアドバイスをくれます。あなたの市場価値を正しく評価してくれる企業と出会うために、まずは無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

▶️ エンジニア向け転職エージェント・サイトおすすめ比較


キャリアパス診断してみる

応エン