【新卒でSESを辞めたい】1年目で辞めるのは甘えじゃない！後悔しない判断基準とキャリアプランの立て方

「ITエンジニアとして活躍するはずだったのに、現実は全く違った…」
「このまま客先常駐を続けて、本当にスキルは身につくのだろうか？」
「同期は自社開発で楽しそうなのに、自分だけ取り残されている気がする…」

新卒でSES企業に入社し、そんな不安や焦りで胸が苦しくなっていませんか？

「でも、入社してまだ1年も経っていないのに『辞めたい』なんて、ただの甘えだろうか…」と自分を責めてしまう気持ち、とてもよく分かります。

しかし、断言します。新卒でSESを辞めたいと感じるのは、決して特別なことでも、甘えでもありません。

この記事では、

• なぜ多くの新卒がSESを辞めたくなるのか、その理由
• 感情に流されず「辞めるべきか」を判断するための客観的な基準
• 後悔しないために「今すぐ」始めるべき具体的な行動
• スキルに自信がなくても成功するキャリアアップ転職の戦略

などを、一つひとつ丁寧に解説していきます。

この記事を読み終える頃には、あなたの頭の中のモヤモヤが晴れ、自分のキャリアと向き合い、自信を持って次の一歩を踏み出せるようになっているはずです。

「新卒でSESを辞めたい…」その気持ち、あなただけじゃありません

まず知っておいてほしいのは、「新卒でSESを辞めたい」と感じているのは、決してあなた一人ではないということです。多くの新卒エンジニアが、理想と現実のギャップに悩み、同じような壁にぶつかっています。

なぜ？多くの新卒エンジニアがSESを辞めたいと感じる5つの理由

なぜ、これほど多くの新卒がSESという働き方に疑問を感じてしまうのでしょうか。その背景には、共通するいくつかの理由があります。

1. スキルアップへの不安（雑用やテストばかり…）
   開発経験を積んでスキルアップしたいのに、任されるのはテストや運用・保守、議事録作成といった業務ばかり。いわゆる「案件ガチャ」に外れてしまい、成長している実感が得られないケースです。
2. 給与や評価制度への不満
   客先での評価が自社の評価に正しく反映されなかったり、多重下請け構造のために給与が低く抑えられていたりすることへの不満です。「自分の頑張りが報われていない」と感じてしまいます。
3. 帰属意識の欠如と孤独感
   客先常駐のため、自社の先輩や同僚と顔を合わせる機会がほとんどない。現場ではプロパー社員との壁を感じ、気軽に相談できる相手もいない…。孤独感や疎外感から、働くモチベーションが低下してしまいます。
4. キャリアパスが見えない将来への不安
   数年後、自分がどんなエンジニアになっているのか全く想像できない。今の現場で得られるスキルが、将来市場で通用するのか分からず、漠然とした不安に襲われます。
5. 聞いていた話と違う（入社前後のギャップ）
   「上流工程に携われる」「多彩なプロジェクトで成長できる」と聞いていたのに、現実は全く違ったというケース。会社に対する不信感が募り、働く意欲を失ってしまいます。

あなたにも、当てはまる項目があったのではないでしょうか。

「入社1年で辞めるのは甘え？」その不安を乗り越えるために

「石の上にも三年」という言葉があるように、「1年で辞めるのは根性がない証拠だ」と感じてしまうかもしれません。

しかし、終身雇用が当たり前ではなくなった現代において、その考え方は必ずしも正しくありません。特に、心身の健康を損なう環境や、明らかにキャリアの成長が見込めない環境に身を置き続けることは、あなたの貴重な時間を浪費してしまうリスクがあります。

大切なのは、「早すぎるかどうか」ではなく、「その決断が将来の自分にとってプラスになるかどうか」という視点です。不安に思うのは当然ですが、まずはその気持ちを受け入れ、冷静に現状を分析することから始めましょう。

感情的な判断はNG！後悔しないために「辞めるべきか」を冷静に判断する基準

「辞めたい」という感情だけで行動すると、後で「もっと慎重に考えればよかった…」と後悔する可能性があります。ここでは、あなたの状況を客観的に判断するためのチェックリストを用意しました。

【チェックリスト】一つでも当てはまれば危険信号？「辞めるべき」サイン

• □ 心身に不調を感じている（朝起きるのが辛い、食欲がないなど）
• □ 質問や相談がしづらく、一人で問題を抱え込んでいる
• □ 3年後、この会社で成長している自分の姿が全く想像できない
• □ 契約内容や業務範囲が曖昧で、不当な要求をされることがある
• □ 会社の営業担当者にキャリア相談をしても、真摯に取り合ってもらえない
• □ 尊敬できる先輩や目標となるエンジニアが社内に一人もいない

もし一つでも当てはまるなら、それはあなたのキャリアにとって危険信号かもしれません。特に心身の不調は最優先で対処すべき問題です。転職を真剣に検討する価値は十分にあります。

逆にもう少し頑張るべき？「留まるべき」サイン

一方で、以下のような状況であれば、すぐに辞めるのではなく、もう少し現職で頑張ることで道が開ける可能性もあります。

• □ 今の現場でも、学べることや吸収できる技術がある
• □ 営業担当者に相談すれば、案件を変更してもらえる可能性がある
• □ 会社自体に研修制度や資格取得支援など、成長できる環境がある
• □ 給与や福利厚生など、労働条件には満足している

「辞める」という選択肢を持つことは大切ですが、今の環境で改善できる点がないかを探る視点も忘れないようにしましょう。

【行動計画】「SESを辞めたい」と思ったら、まず始めるべき3つのこと

辞める・辞めないの判断にかかわらず、「辞めたい」と感じた今こそ、キャリアについて真剣に考え、行動を起こす絶好のタイミングです。在職中に以下の3つのステップを始めましょう。

STEP1: なぜ辞めたいのか？理想の働き方を言語化する

まずは、あなたが「なぜ辞めたいのか」を深く掘り下げ、ノートなどに書き出してみましょう。

• 不満の具体化: 「給料が低い」→「いくら欲しいのか？」「スキルが身につかない」→「どんなスキルを身につけたいのか？」
• 理想の言語化: 「どんなプロダクト開発に携わりたい？」「どんなチームで働きたい？」「残業はどのくらいが理想？」

これをすることで、次の職場に求める条件が明確になり、転職活動の「軸」が定まります。

STEP2: 自分の「市場価値」を客観的に把握する

次に、今の自分が転職市場でどれくらいの価値があるのかを客観的に知ることが重要です。
転職サイトに匿名で登録し、どんな企業からスカウトが来るかを見てみたり、スキル診断ツールを使ってみたりするのも良いでしょう。自分の現在地を知ることで、目指すべきゴールとの距離感が分かります。

STEP3: 転職のプロに無料相談し、リアルな情報を集める

最も効率的で確実なのが、エンジニア専門の転職エージェントに相談してみることです。
「まだ転職すると決めていないのに…」と思うかもしれませんが、全く問題ありません。キャリア相談だけでも快く応じてくれます。

プロのエージェントに相談するメリットは計り知れません。

• 客観的なキャリアアドバイスがもらえる
• 今のあなたに合う求人を紹介してもらえる
• 非公開求人など、ネットにはない情報が得られる
• 職務経歴書の添削や面接対策をしてもらえる

一人で悩まず、まずは情報収集のつもりで気軽に相談してみましょう。

【転職編】スキルに自信がなくても大丈夫！新卒SESからのキャリアアップ転職術

「辞める」と決意したものの、「大したスキルもないのに転職なんてできるのだろうか…」と不安に思うかもしれません。しかし、心配は無用です。新卒・第二新卒には、スキル以上に評価されるポイントがあります。

ポテンシャル採用が狙える！「第二新卒」という強力なカード

新卒入社後1〜3年で転職する若手人材を「第二新卒」と呼びます。企業が第二新卒を採用する際、経験やスキル以上に「ポテンシャル（将来性）」や「学習意欲」を重視します。
基本的なビジネスマナーが身についている点も、新卒採用にはない強みです。スキル不足を過度に恐れず、あなたの強みや熱意をアピールしましょう。

どんな選択肢がある？SESからの人気キャリアパス3選

SESからの転職先として、特に人気が高いのは以下の3つです。

1. 自社開発企業: 自社のサービスやプロダクトを開発する企業。企画から開発、運用まで一貫して携われるため、やりがいを感じやすいのが特徴です。
2. 社内SE: 事業会社の情報システム部門で働くエンジニア。社内の業務効率化やシステム管理が主な仕事で、ユーザーの反応がダイレクトに分かります。
3. 優良SES/SIer企業: 同じSESでも、社員のキャリアパスを真剣に考え、高単価な案件や上流工程の案件を多く持つ「優良企業」も存在します。教育制度が充実している企業も狙い目です。

採用担当者に響くポートフォリオの作り方のコツ

スキルを証明する上で、ポートフォリオ（自分の作品集）は非常に強力な武器になります。
たとえ小さなものでも構いません。自分で作ったWebサイトやアプリケーションがあれば、学習意欲と技術力をアピールできます。GitHubでコードを公開することも忘れずに行いましょう。

新卒SESからの転職に強い！おすすめの転職エージェント

第二新卒やエンジニアの転職支援に特化した転職エージェントを活用することで、転職成功率は格段に上がります。 私たちが厳選した転職エージェントをこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【残留編】今の会社でもう少し頑張ると決めたあなたがやるべきこと

様々な角度から検討した結果、「今はまだ辞めずに、今の会社で頑張ってみよう」と決断することもあるでしょう。その決断もまた、素晴らしい一歩です。その場合は、ただ漫然と働き続けるのではなく、主体的に環境を変える努力を始めましょう。

スキルアップのために現場でできること

• 積極的に質問・提案する: 分からないことは放置せず、先輩社員に積極的に質問しましょう。また、業務改善の提案なども行うと、主体性を評価してもらえます。
• コードを読む: 他の人が書いたコードを読むことは、非常に良い勉強になります。
• +αのタスクを請け負う: 自分の担当範囲だけでなく、少しだけ背伸びしたタスクに挑戦させてもらえないか相談してみましょう。

会社にキャリアについて相談する（案件ガチャの交渉術）

自社の営業担当者に、あなたのキャリアプランを具体的に伝え、「〇〇の技術が学べる案件に移りたい」と交渉してみましょう。明確な意志を示すことで、会社側もあなたの希望を考慮しやすくなります。

資格取得や自己学習で市場価値を高める

会社の環境に依存せず、自分自身の価値を高める努力も重要です。
基本情報技術者試験やAWS認定資格などの資格取得を目指したり、オンライン学習サービスで新しい言語を学んだりすることで、自信にも繋がり、将来の選択肢も広がります。

新卒SESのキャリアに関するよくある質問（Q&A）

最後に、新卒SESエンジニアの方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. スキルが全くないのですが、転職できますか？

A. 可能です。
前述の通り、第二新卒の採用ではポテンシャルが重視されます。基本的なビジネスマナーと、エンジニアとしての学習意欲や今後の伸びしろをしっかりアピールできれば、転職は十分に可能です。自己学習で簡単なアプリケーションを作ってみるなど、意欲を行動で示すことが大切です。

Q. 辞めることを会社にどう伝えればいいですか？

A. まずは直属の上司に、退職希望日の1〜2ヶ月前を目安に伝えましょう。
理由は「一身上の都合」で問題ありませんが、もし聞かれた場合は「新しい環境で〇〇のスキルを身につけたい」など、ポジティブな理由を伝えると円満に退職しやすくなります。会社の不満を言うのは避けましょう。

Q. 次に選ぶべきじゃない「ブラックSES企業」の見分け方は？

A. いくつかポイントがあります。
「未経験から年収〇〇万円確約！」など極端に良い条件を謳っている、面接で具体的な業務内容やキャリアパスの話がない、社員の口コミサイトでの評判が著しく悪い、などの特徴がある企業は注意が必要です。転職エージェントを使えば、こういった企業を避けて紹介してくれるというメリットもあります。

まとめ：あなたのキャリアはあなたのもの。主体的に未来を選ぼう

今回は、新卒でSESを辞めたいと感じているあなたへ向けて、後悔しないための判断基準や具体的な行動計画について解説しました。

重要なポイントを振り返ります。

• 「新卒でSESを辞めたい」と感じるのは、あなただけではない
• 感情で判断せず、客観的な基準で「辞めるべきか」を考える
• 辞めるにせよ、留まるにせよ、まずは情報収集と自己分析から始める
• 第二新卒には「ポテンシャル」という武器がある
• 一人で悩まず、転職エージェントなどプロの力を借りる

「SESを辞めたい」という気持ちは、あなた自身のキャリアを真剣に考えている証拠です。その気持ちをネガティブに捉える必要は全くありません。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽くし、未来へ向かって主体的に一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。あなたのキャリアは、誰のものでもなく、あなた自身のものです。後悔のない選択ができるよう、心から応援しています。