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SESエンジニアが「派遣先」や「事業会社」に転職を成功させる完全ロードマップ

SESの客先常駐から抜け出し、自社開発企業や希望の派遣先に正社員として転職する方法を徹底解説。市場価値を高めるスキル戦略と職務経歴書の書き方を公開。

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はじめに:SESからの転職は「逃げ」ではない、戦略的なキャリアアップだ

「このまま客先常駐を続けていて、本当に自分の望むキャリアが描けるのだろうか?」

もしあなたがSES(System Engineering Service)企業に勤務するエンジニアで、このような悩みを抱えているなら、その不安は決して間違いではありません。

SESという働き方は、多様なプロジェクトに携われるメリットがある一方で、「給与が上がりにくい」「自社サービスに深く関われない」「キャリアパスが見えにくい」といった課題も多く存在します。

特に、現在常駐している派遣先の企業文化や開発環境に魅力を感じ、「ここで正社員として働きたい」「客先常駐ではない事業会社で働きたい」と考えるのは、キャリアアップを真剣に考えている証拠です。

この記事では、SESエンジニアが抱える「派遣先への転職」に関する疑問を解消し、あなたの市場価値を最大限に高め、理想の企業へ転職を成功させるための具体的なロードマップを解説します。

SESエンジニアが抱える「派遣先への転職」に関する2つのパターン

SESから次のステップへ進む際、読者であるあなたが目指すゴールは、大きく分けて以下の2つのパターンに分類されます。

1. 現在の派遣先企業に直接雇用される「引き抜き型」

これは、現在常駐している企業(お客様側)の社風や業務内容が気に入り、その企業に正社員として直接採用されることを目指すケースです。

メリットは、既に業務内容や人間関係を熟知しているため、入社後のミスマッチが極めて少ない点です。しかし、契約上の制約や、元のSES企業との関係性など、クリアすべきハードルが存在します。

2. 客先常駐ではない「事業会社・自社開発企業」へ転職する「キャリアチェンジ型」

現在の派遣先企業にこだわらず、SESという働き方から完全に脱却し、自社開発や受託開発を行う企業へ転職するケースです。

このパターンでは、面接官に対して「なぜ客先常駐ではなく自社開発なのか」という動機と、即戦力となる技術スタックを明確に示す必要があります。

【パターン1】現在の「派遣先」に正社員として引き抜かれる方法と注意点

現在の派遣先に直接転職できるなら、これほど理想的なキャリアチェンジはありません。しかし、実行には細心の注意が必要です。

「引き抜き」は可能か?労働契約法と契約上のリスク

結論から言うと、「引き抜き」は可能です。しかし、日本の法律や商習慣が関わってきます。

  • 法的側面: 労働契約法や職業安定法に基づき、派遣先企業が派遣社員を正社員として雇用することは原則として自由です。ただし、特定派遣無期雇用派遣など、雇用形態によって注意点は異なります。
  • 契約上のリスク: SES企業と派遣先企業の間で結ばれている契約書には、「引き抜き禁止条項」や「紹介予定派遣以外の直接雇用禁止」といった取り決めが含まれていることが一般的です。派遣先企業がこれらの契約に違反すると、SES企業から損害賠償を求められるリスクがあります。

そのため、水面下で話を進めるのではなく、まずは派遣先の上長に相談し、正式なルートで話を進めるのが最も安全です。

派遣先から評価されるエンジニアになるための具体的な行動

派遣先に「この人はぜひ自社で雇いたい」と思わせるためには、単にタスクをこなすだけでなく、以下の行動を意識しましょう。

  1. 自走力と提案力: 指示待ちではなく、自ら課題を発見し、解決策を提案する。「なぜこのプロジェクトが必要なのか」という事業背景を理解し、一歩踏み込んだ提案をすることで、社員と同等の意識を持っていることを示せます。
  2. コミュニケーションと文化の同化: 積極的に社内イベントやミーティングに参加し、チームメンバーとの信頼関係を築く。派遣社員であっても、その企業のペルソナや文化に馴染む努力が重要です。
  3. 成果の可視化: 担当したタスクだけでなく、それが企業にもたらした具体的な利益(例:工数削減、売上向上)を数字で記録しておきましょう。これは交渉材料になります。

タイミングの見極め方:派遣契約更新前に交渉を始める

直接雇用の話を進める最適なタイミングは、現在の派遣契約が更新される3〜6ヶ月前です。派遣先企業側も、契約更新の費用や手続きを考慮するため、この時期に交渉することで話がスムーズに進みやすい傾向があります。

【パターン2】事業会社・自社開発企業へ転職するための「市場価値向上戦略」

SESから客先常駐ではない企業へ転職する場合、面接で「なぜ自社で働きたいのか」「SESで培ったスキルは何なのか」を論理的に説明する必要があります。

SESエンジニアが面接で不利になる理由を理解する

事業会社がSES出身者を敬遠する理由として、以下の点が挙げられます。

  • 技術の深さに疑問: プロジェクトを転々とするため、一つの技術を深く掘り下げた経験がないのではないか?
  • 自社へのコミットメント: 外部の人間として働くことに慣れており、当事者意識が低いのではないか?
  • 職務経歴書の読みづらさ: プロジェクト名や期間が多すぎて、具体的に何をしたのかが分かりにくい。

これらの懸念を払拭することが、転職成功の鍵となります。

スキルシートを「成果ベース」の職務経歴書に変える書き方

SESエンジニアのレジュメは、プロジェクト概要や担当フェーズの羅列になりがちです。これを「成果ベース」に変えましょう。

悪い例(スキルシート)

良い例(職務経歴書)

期間:6ヶ月。〇〇システムの保守・運用を担当。Javaを使用。

〇〇プロジェクト(期間6ヶ月)。老朽化したシステムをJava 8から17へ移行。これによりレスポンスタイムを平均20%改善し、年間保守費用を15%削減。要件定義からデプロイまで主導。

重要なのは、「何を(技術)」「どうした(行動)」「結果どうなった(成果)」の3点を明確に記述し、市場価値を具体的に示すことです。

「自社開発」に求められる技術スタックとポートフォリオ戦略

自社開発企業では、企画段階からリリース、運用、リライト(改善)までを一貫して担当する能力が求められます。客先常駐では得られにくい以下のスキルを補強しましょう。

  • モダンな技術スタック: クラウド(AWS/GCP)、コンテナ技術(Docker/Kubernetes)、アジャイル開発手法など。
  • アウトプット: 趣味や個人開発でも構わないので、GitHubでコードを公開したり、自作のWebサービスを公開したりするポートフォリオを作成してください。これはあなたの「経験」と「専門性」を証明する最高の材料です。

客先常駐中に「自走力」と「提案力」を磨く具体的な方法

現在の派遣先で、業務外の時間や待機時間を有効活用し、自社開発に必要な「自走力」を意識的に鍛えましょう。

  • ドキュメント作成: 担当外の領域でも、システムの設計思想や仕様を深く理解し、ドキュメントを整理する。
  • 自動化の追求: 繰り返しの多い作業をスクリプトなどで自動化し、生産性を高める。
  • E-E-A-Tの意識: 自身の担当プロジェクトについて、技術ブログなどでアウトプットし、業界内での信頼性を高める。

SESからの転職を成功に導くための具体的なステップ

戦略的な転職活動を行うための3つのステップを解説します。

ステップ1:現在の技術スタックとキャリアパスの棚卸し

まずは「自分は何ができて、次にどうなりたいか」を明確にしましょう。

  1. スキルマッピング: 使用経験のある言語、フレームワーク、インフラ、ツールをリストアップし、それぞれに習熟度(初心者、実務経験あり、得意)を自己評価する。
  2. 理想のキャリアパス設定: 5年後、10年後にどのようなエンジニアになっていたいか、目標となる企業やロールモデルを設定する。
  3. 転職理由の言語化: 「なぜ客先常駐をやめたいのか」ではなく、「なぜその企業でなければならないのか」というポジティブな理由を準備する。

ステップ2:転職先の企業規模・文化のミスマッチを防ぐ情報収集

SESから事業会社へ移る際、企業文化の違いに戸惑うケースは少なくありません。

  • 企業規模の確認: 大企業とスタートアップでは、求められる役割やスピード感が全く異なります。
  • 開発文化の調査: 開発手法(アジャイルかウォーターフォールか)、コードレビューの頻度、技術選定の自由度などを面接や企業ブログを通じて確認しましょう。

ステップ3:転職エージェントの活用:SES特有の事情を理解したプロを選ぶ

SESからの転職は、一般的な転職とは異なる特殊な事情(職務経歴書の書き方、引き抜きに関する交渉、給与アップの相場など)が絡みます。

SES出身者の転職支援実績が豊富な専門のエージェントを活用することで、あなたのスキルを正しく評価してくれる企業を効率的に見つけることができます。

Q&A:SESエンジニアの転職に関するよくある質問

Q. 未経験でSESに入りましたが、何年で転職すべきですか?

A. 経験が浅い状態で転職を繰り返すのは避けるべきですが、一般的には「一つの技術領域で2〜3年の実務経験」を積んでからが理想的です。この期間で基礎的な技術力と、プロジェクトを完遂した実績を確保できます。

Q. 派遣先企業に内緒で転職活動を進めても大丈夫ですか?

A. 原則として、転職活動は現在の雇用主や派遣先に知られず水面下で進めるべきです。特に派遣先への直接転職(引き抜き)を狙う場合を除き、情報漏洩はトラブルの元になります。転職エージェントを利用すれば、情報管理を徹底した上で活動を進められます。

まとめ:キャリアの主導権を取り戻し、理想の働き方へ

SESからの転職は、あなたのキャリアの主導権を自分の手に取り戻すための大きな一歩です。

大切なのは、感情的に「客先常駐をやめたい」と考えるだけでなく、冷静に自分の市場価値を分析し、目標とする企業が求めるスキルを戦略的に補強することです。

現在の派遣先への転職を目指すにせよ、自社開発企業へのキャリアチェンジを目指すにせよ、綿密な計画と準備があれば成功は可能です。

職務経歴書の添削やキャリア相談はプロに任せるのも一つの手

「一通り書いてみたけど、本当にこれで良いか客観的な意見が欲しい…」
「自分の市場価値が分からず、どんな企業に応募すれば良いか迷っている…」

もし一人で悩んでいるなら、転職のプロであるエージェントに相談するのも非常に有効な手段です。

特にこの業界に特化したエージェントは、採用担当者の視点を熟知しており、あなたの職務経歴書をより魅力的にするための具体的なアドバイスをくれます。
あなたの市場価値を正しく評価してくれる企業と出会うために、まずは無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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