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SESエンジニアの「労働時間」は本当に長い?実態と残業を避けて働くための具体的な方法

SESは長時間労働という噂は本当か?現役エンジニアの実態データに基づき、SESの労働時間と残業の平均を徹底解説。ワークライフバランスを保ち、ホワイトな現場で働くための具体的なチェックリストを紹介します。

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はじめに:SESの労働時間は「現場次第」が真実

「SES(System Engineering Service)は残業が多い」「長時間労働になりがち」――。

これからSESエンジニアを目指す方や、現在の働き方に疑問を感じている方にとって、労働時間の問題はキャリア選択における最大の不安材料かもしれません。

結論からお伝えすると、SESエンジニアの労働時間は「一律に長い」わけではありません。現場(プロジェクト)によって天国と地獄ほど差が出るのが実態です。

この記事では、SESの労働時間の平均的な実態を客観的なデータに基づいて解説しつつ、なぜ一部で長時間労働が発生するのか、その構造的な要因を徹底的に分析します。さらに、あなたがワークライフバランスを保ちながら働くために、ホワイトな現場を見分ける具体的なチェックリストと、知っておくべき法的な知識(36協定、みなし残業など)を提供します。

不安を解消し、理想の働き方を実現するための第一歩を踏み出しましょう。

SESエンジニアの労働時間に関するよくある誤解と実態

SESエンジニアの労働時間について、まずは客観的な視点から実態を見ていきましょう。

SESの平均残業時間は「一般企業と大差ない」

多くの調査機関のデータによると、ITエンジニア全体の平均残業時間は月間20〜30時間程度です。SESエンジニアもこの平均値から大きく外れるわけではありません。

むしろ、近年は働き方改革やコンプライアンス意識の高まりから、客先常駐の現場でも厳格な勤怠管理が行われています。定時退社を奨励するホワイトな大手企業も多く、現場によっては残業が月5時間未満というケースも珍しくありません。

重要なのは、SESというビジネスモデル自体が長時間労働を決定づけるわけではないということです。問題は、あなたがどのプロジェクトにアサインされるか、そしてそのプロジェクトの体制や進捗管理がどうなっているか、に集約されます。

「長時間労働」が発生しやすい現場の構造的な問題

平均値が一般企業と大差なくても、「SESは長時間労働」というイメージが根強く残るのはなぜでしょうか。それは、一部の現場で極端な長時間労働が発生し、それが口コミやSNSで強く拡散されるためです。

長時間労働が発生する現場には、以下のような構造的な問題が潜んでいます。

  • 単価と納期に無理がある: SES企業が案件を獲得する際、安価な単価で無理な納期を受け入れてしまうと、現場のエンジニアにしわ寄せが来ます。
  • 多重下請け構造の末端: 元請けから二次請け、三次請けと下請け構造が進むほど、情報伝達が遅れ、責任範囲が曖昧になり、「誰かが頑張ってリカバリーする」という状況が生まれやすくなります。
  • スキルミスマッチ: 求められるスキルレベルに対して、アサインされたエンジニアの経験が不足している場合、作業効率が上がらず残業で補うしかなくなります。

長時間労働を引き起こす「SES特有の3つの要因」

SESエンジニアが一般的な会社員よりも長時間労働のリスクに直面しやすいのは、客先常駐という働き方に特有の要因があるからです。

1. 炎上案件へのアサインと短納期プレッシャー

SESエンジニアは、プロジェクトの立ち上げ期や、仕様変更が頻繁に起こる終盤、または既に遅延している「炎上案件」の火消し役としてアサインされることがあります。

特に炎上案件では、契約上の労働時間を超えた作業が常態化しやすく、過度なプレッシャーの中で働くことになります。企業側は「納期厳守」を盾に残業を強いる傾向がありますが、これは労働基準法上の残業規制(36協定)の範囲内で行われるべきです。

2. 契約形態の違いによる指揮命令権の曖昧さ(準委任契約のリスク)

SESの契約形態は主に「労働者派遣契約」と「準委任契約」の2種類があります。

契約形態

労働時間の管理

残業代の支払い

指揮命令権

労働者派遣

派遣先企業が厳格に管理

発生した残業時間に応じて支払われる

派遣先企業にある

準委任契約

原則、自己管理(成果物の納品を約束)

契約内容によるが、残業代の概念がない場合も

原則、SES企業にある

準委任契約の場合、指揮命令権はSES企業にありますが、実態として客先企業の指示に従って業務を行うことが多くなります。この場合、客先企業が直接、細かな作業指示や残業指示を出すと「偽装請負」と見なされるリスクがあります。

偽装請負状態の現場では、労働時間の管理がルーズになりがちで、サービス残業や長時間労働が発生しても、責任の所在が曖昧になる危険性があるため注意が必要です。

3. 客先常駐による「帰りづらい」雰囲気

自社勤務であれば、周囲も同じ会社のメンバーであるため、定時が来れば帰りやすい雰囲気があります。しかし、客先常駐の場合、以下の心理的な圧力が働きやすいです。

  • 周囲の目: 客先社員が残業している中で、契約社員である自分が先に帰ることに抵抗を感じる。
  • 貢献意識: 「客先のために貢献しなければならない」という責任感から、過度に業務を引き受けてしまう。

特に、現場に自社の社員が自分一人だけの場合、この心理的なプレッシャーは一層強まります。

【自己防衛】SESエンジニアが知っておくべき労働時間の基礎知識

ワークライフバランスを守るためには、エンジニア自身が労働時間に関する法的な知識を持つことが重要です。

法定労働時間と36協定(残業の上限規制)

労働基準法では、法定労働時間は「1日8時間、週40時間」と定められています。これを超えて残業させる場合、企業は労働組合などと「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)」を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。

36協定に基づく残業時間の上限は、原則として月45時間、年360時間です。臨時的な特別の事情がない限り、この上限を超える残業は違法となります。

もし、あなたがアサインされた現場でこの上限を恒常的に超える残業を強いられている場合は、自社の営業担当や人事部門に相談する権利があります。

「みなし残業」制度の正しい理解と注意点

SES企業の中には「みなし残業(固定残業代)」制度を採用しているところがあります。これは、毎月の給与に一定時間分の残業代をあらかじめ含めて支払う制度です。

注意点として、みなし残業時間(例:月20時間)を超えて働いた場合、企業は超過分の残業代を別途支払う義務があります。

「みなし残業だからどれだけ残業しても給料が変わらない」というのは大きな誤解です。もし超過分が支払われない場合は、違法な賃金未払いとなります。契約時に、みなし残業の時間数と、超過分の支払いルールを必ず確認しましょう。

待機期間中の労働時間と給与はどうなる?

SESエンジニアは、プロジェクトが終了してから次の現場が決まるまでの間に「待機期間」が発生することがあります。

待機期間中の労働時間と給与は、企業の就業規則によりますが、原則として待機命令が出ている場合、その時間は労働時間として扱われます。

企業側は、待機期間中もエンジニアに給与(平均賃金の60%以上)を支払う義務があります。この期間は、社内研修や資格取得の学習に充てられることが多いですが、企業から具体的な業務指示が出ている場合は、通常の労働時間として勤怠管理されるべきです。

ワークライフバランスを実現する「ホワイトなSES現場」の見分け方

長時間労働のリスクを避け、安定したワークライフバランスを実現するためには、現場選びが最も重要です。以下のチェックリストを活用し、ホワイトなSES企業・現場を見極めましょう。

チェックリスト1:契約書・勤怠管理の透明性

1. 契約内容の明示:

  • アサイン前に、客先企業名、プロジェクト内容、具体的な業務範囲、契約形態(派遣か準委任か)を明確に説明してくれるか。
  • 特に準委任契約の場合、実質的な指揮命令権が客先にないことを徹底しているか。

2. 勤怠管理の厳格さ:

  • 客先ではなく、自社(SES企業)が勤怠管理を厳格に行っているか。
  • 残業時間の上限設定について、36協定の遵守を徹底しているか。
  • 残業が恒常的に発生している現場に対して、営業担当が介入し、是正を求めている実績があるか。

チェックリスト2:参画するプロジェクトのフェーズと体制

3. プロジェクトのフェーズ:

  • 炎上案件や短納期のプロジェクトばかりを扱っていないか。
  • 安定稼働中の保守・運用フェーズや、計画がしっかり立てられた新規開発フェーズの案件が多いか。

4. チーム体制:

  • 客先常駐の現場に、自社のエンジニアが複数名(チーム)で参画しているか。
  • 一人での常駐は、心理的負担が大きくなり、長時間労働のリスクが高まります。チームでの参画であれば、業務の分散や相談がしやすく、自社メンバー同士で定時退社を促す雰囲気を作りやすいです。

チェックリスト3:自社(SES企業)のサポート体制

5. 営業担当との連携:

  • 営業担当が現場を定期的に訪問し、エンジニアの労働環境や心身の状態を確認しているか。
  • 現場で残業が増え始めた際、すぐに営業に相談できる体制があるか。

6. 評価制度:

  • 残業時間ではなく、スキルアップや成果に基づいて正当に評価される制度が整っているか。長時間労働を美化するような社風ではないか。

まとめ:SESで理想の働き方を手に入れよう

SESエンジニアの労働時間の実態は、「現場次第」であり、決して全てが長時間労働ではありません。しかし、客先常駐という特性上、長時間労働のリスクがあることも事実です。

ワークライフバランスを実現するためには、以下の3点を徹底することが重要です。

  1. 法的な知識を身につける: 36協定やみなし残業のルールを理解し、自分の権利を守る。
  2. 現場を徹底的に選ぶ: 契約の透明性、チーム体制、営業のサポート体制を事前に確認する。
  3. 主体的に行動する: 現場で長時間労働が常態化しそうになったら、すぐに自社の営業担当に相談する。

SESは様々な技術やプロジェクトを経験できる魅力的な働き方です。正しい知識と対策を持って、理想のキャリアとワークライフバランスを実現しましょう。

キャリア相談:理想の働き方を実現するために

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「今の現場が長時間労働で疲弊しているが、どう動けばいいか分からない…」

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専門のエージェントは、一般には公開されない現場の残業時間の実態や、過去に所属したエンジニアの口コミ情報、企業のコンプライアンス意識を熟知しています。

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